もっと知りたい小児の知識リハビリ専門解説!

どう支援する?感覚が鈍感な子の感覚からの支援(学校生活偏)

もっと知りたい小児の知識

感覚が鈍感で気づきにくい子ども、低登録の子どもに対して、感覚を使ってどのように支援したらよいのでしょうか?

今回は、学校生活や学業支援について具体的に考えていきます。

学校生活、学習面での支援方法

聴覚からの支援

聴覚の補助デバイス

 教師の声をマイクで拾い、子どものイヤホンに直接届けるシステムを使う。これにより、環境音を軽減し、教師の声を明瞭に聞き取ることができます。
 あるいは、ノイズキャンセリングヘッドホンやイヤーマフなどを使って、周囲の騒音を軽減し、必要な情報が入るようにします。しかし、あまり小さな音になりすぎると、逆に刺激が弱くなるので注意が必要です。

 また、重要な情報は録音させるように、ボイスメモなどの録音機器を使用するとよいでしょう。

対話型のアプローチ

 授業の最後や中間に質問タイムを設け、わからなかったことを確認できる時間を設けます。加えて、わからないときは、例を挙げて説明してもらうように教えるとよいでしょう。

 ペアワークやグループディスカッションを使い、他の生徒と一緒に課題を取り組むことで、互いに説明し合ったり確認し合ったりする機会を作ることも有効です。

 聞いたことが理解できているか確認するため、聞いた情報を説明させる。または、繰り返させるのも良い手段となります。

学習環境の工夫

座席の配置を教師の近くにすることで、先生の話が聞きやすくなり、集中しやすくなります。

また、予定などを思い出しやすくするために、アラーム機能を使うとよいでしょう。

サウンドとビジュアルの連携を図り、音と映像を組み合わせた教材を使用するのもよい方法です。例えば、科学の実験動画にナレーションを加えるなど。

定期的に学習内容を復習する時間を設け、理解の確認と定着を図ったり、録音した音声やビデオ、プリント資料を提供し、自宅での復習を支援するとよいでしょう。

視覚からの支援

カラーボーダーやシンボルの使用

 重要な書類やプリントにカラーボーダーを付けて区別しやすくすると見やすくなります。例えば、宿題の提出用紙には赤いボーダーを付けるなどが考えられます。
 また、特定のシンボルやアイコンを使用して、視覚的な手がかりを提供するとよいでしょう。例えば、授業に必要な教材を示すアイコンをノートやプリントに付けるといった工夫です。

ほかにも、文章や絵で情報を伝えたり、下線、太字、ハイライト、色を使いなどで、より目立つように視覚的な手がかりを加えることで、学習をサポートする事ができます。

視覚的スケジュール

 一日のスケジュールを視覚的に示したボードを使用します。時間ごとに活動内容を絵や写真で表示し、予定を把握しやすくする効果があります。
 また、重要なイベントや期限を視覚的に示すカレンダーを作成し、教室や自宅に掲示するのもよいでしょう。

視覚的フィードバック

 テストや課題のフィードバックを色分けして分かりやすくするとよいでしょう。例えば、正解には緑、不正解には赤を使用するなどです。
 また、良い行動や成果に対してステッカーやシールを与えることで、視覚的なフィードバックを提供することができます。

整理整頓のサポート

 教室や自宅の整理整頓を助けるために、物のラベリングを行う。例えば、文具や教材の収納箱にラベルを貼る方法が考えられます。
 また、異なる種類の物を色分けされた収納箱に入れるのも工夫の一つです。例えば、筆記用具は青、ノートは緑の箱に収納するなどが考えられます。

 さらに、大切なもの(学校で使う持ち物、ランドセル等)は目立つ場所に置かせるとよいでしょう。

視覚的なリマインダー

 重要な情報やタスクを視覚的に思い出させるために、付箋やポストイットを使用する工夫があります。パソコンやタブレットの壁紙やスクリーンセーバーに視覚的なリマインダーを設定するという方法もあります。

デジタルツールの活用

 スマートフォンやタブレットのアプリを使用して、視覚的なリマインダーやスケジュール管理を行うことで、学校生活をサポートします。。
 デジタルノートでは、デジタルノートアプリを使い、色やフォントを変えて視覚的な情報を整理することが可能です。

ゲームやアクティビティ

 視覚的な刺激を利用した学習ゲームを活用するのもよいでしょう。例えば、色や形を学ぶパズルやフラッシュカードです。

固有覚・前庭覚・触覚などの支援

体を動かす休憩時間

 授業の途中で短い運動休憩を入れる方法があります。例えば、軽いストレッチや体操、ジャンプなどの活動を行ったり、定期的に姿勢を変えさせるなどの工夫があります。
 また、校庭や体育館で自由に遊ぶ時間を設け、運動することでリフレッシュすることも重要です。

感覚統合の支援

 教室にさまざまな触感の素材(毛布、ボール、ジェルパッドなど)を用意し、触れることで触覚を刺激します。机の下や椅子の裏側に、刺激を感じられる素材を張り付けても良いでしょう。
 また、すこし重量のあるブランケットや重たいバッグを使うことで、固有受容感覚を刺激し、体の位置感覚を向上させることができます。

 さらに、凹凸のある持ち物や刺激が入りやすい感触の道具を使う方法もあります。香りがついている文房具などもよいでしょう。

座席の工夫

 クッションやフットレストなどのサポートアイテムを使い、座席の調整を行います。座り心地を向上させ、集中力を維持しやすくなります
 また、スタンディングデスクを導入し、あえて「立って」学習する選択肢を提供するのもひとつの方法です。

環境の変化

 可能な場合、屋外での授業を取り入れ、自然の中で学ぶことで新鮮な感覚を提供することができます。また、図書館や体育館、他の教室など、いつもとは異なる環境での学習機会を増やし、刺激を与えるとよいでしょう。

スポーツや運動の促進

 学校外のスポーツクラブや運動教室に参加させ、定期的に体を動かす機会を提供します。

まとめ

 感覚の鈍麻、低登録の子どもに対しては、どのような感覚の鈍さがあるのかを明確にし、それに対して感覚を感じられるような対応がいくつか考えられます。

 これら工夫をすることえ、学業や学校生活がスムーズに遅れるようになり、本人の自信や学業の成績の向上を図ることができるでしょう。

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