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専門解説! 筋緊張ってなに?低緊張ってなに?

変わりゆく季節のなかで、ちょっとずつ衣替えを始めました。
寒くなるまえに、上着の準備なんかもしています。ちいさな上着が出てきました。
子どもたちがまだ、保育園とかに通っていた時のものでしょうか。
かわいくて捨てられない…。
そっとタンスの奥にしまいました。

そうやって物がどんどんたまっていく どうも、ゆーです。
保育園のときに作成した作品とかも、捨てられずに保管しています。

今回はすこし専門的な話になります。
まずはコチラをご覧ください。

なんだかぐったりしていますね。
これは、「フロッピーインファント」といいます。

異常な筋緊張の低下をきたすお子さんのことをこう表現したりします。
今回はこの低緊張についてお話します。

まず、筋緊張とは「筋肉の張り」のことをさします。
自分の腕や足を触ってみてください。弾力や張りがありますよね。
これは適切な筋肉に刺激が入っている状態、つまりそれが「正常な筋緊張」です。
私たちは姿勢を整えたり、運動するために適度な筋肉の張りを保っています。この適切な筋緊張を保っているから、重力に対して負けずに姿勢を保つことができるわけです。
これが低くなるということは筋肉の張りが弱くなる。つまり、グニャグニャした感じになるということです。
このようなお子さんは特徴的な姿勢を示すことがあります。
たとえば、蛙様肢位(frog leg posture)

仰向けで寝ると、両足が大きく開いてゆかにつくような状態です。あしがべたーんって開いて床に付いちゃうぐらい、筋肉がゆるゆる、関節もゆるゆるなんですね。

ほかにも、こういったお子さんは哺乳する力が弱かったり、むせ易い事もあります
フロッピーインファントの代表疾患には脊髄性筋萎縮症というものがありますが、原因はさまざまです。早期に治療やリハビリをしていくためにも、低緊張を招いている原因の疾患を特定することが重要です。
明らかな低緊張の状態では、体に合わせたクッションをえらび、姿勢が保ちやすいように工夫したり、あるいは装具などで関節の補強や脱臼を防ぐなどの治療を行います。呼吸や痰を出すリハビリ嚥下(飲み込む)のリハビリといったことも必要に応じて行われます。
さて、小児リハビリに来る発達障害のお子さんの中にも、筋緊張が普通のお子さんより低いなと感じるお子さんがいます。もちろん、フロッピーインファントのように明らかにぐにゃーってしているわけではありませんよ。
でも、筋肉をさわると軟らかかったり、関節がゆるかったり、姿勢が保てなかったり。
「疲れやすくて、すぐに寝転ぶ」なんてお子さんがいますが、これは筋緊張がやや低いために、姿勢を保つことが大変で、普通の人以上に頑張って力を使っているから、疲れやすいのかもしれません。
これらは運動や自分の身体の認識にも影響を及ぼしています。
ここからは私の持論です。
低緊張のお子さんは筋肉の動きや張りを感知する筋紡錘というセンサーが働きにくい、あるいは鈍いのではないかと感じています。すると、体を動かしている感覚や筋肉が伸びたり縮んだりしている感覚に気がつきにくい可能性があります。
そこで、感覚にメリハリをつけていきます。強い刺激と弱い刺激。硬い刺激と柔らかい刺激。
いろいろありますけれども、明確な「差」をつけることで、感覚の変化に気がつきやすくなります。
たとえば、ハイハイにせよ、歩くにせよ、床面の素材に変化を付けます。一部は固いフロアマット、一部はクッションのような柔らかい素材。硬いところと柔らかいところをハイハイしたり、歩いたりすると、その感覚の変化に気がつくわけです。そこで、子どもたちは変化を自分自身で読み取り、運動や体の使い方を変化させていきます。
でも、最初はそれに気がつかず、変化に対応できなくて転んでしまったりするかもしれません。でも、それも経験。安全に配慮しながらそういった経験ができるのが、小児リハビリのメリットです。
ほかにも、手元へ注意を向けるためのコツがありますが、ブログではここまで。
いつかユーチューブのライブ解説で話すことにしましょう。お読みくださってありがとうございました。

引用文献
下村英毅他:フロッピーインファントとは?.Journal of CLINICA REHABILITATION.vol.28.No.4.pp316-pp321.2019

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