もっと知りたい小児の知識リハビリ専門解説!

リハビリの効果を高める!【3ステップ】効果的な練習方法

リハビリ,自主トレ,効果,OT もっと知りたい小児の知識

一般的にリハビリといえば…

「同じ動作を繰り返し練習して、覚えていく」

リハビリでは、なんらかの動作を覚えるために「繰り返し練習・反復練習」を普通に行っています。

 たとえば、立ち上がりの練習、箸をもつ練習などなど。こういった訓練は「基本動作訓練」とか「日常生活動作訓練」とか言われています。

 でも、ちょっとまってください。

 これって本当にリハビリの効果があるんでしょうか?

何回繰り返したら、学習できるのか?

 ある有名な研究があります。Kottkeというひとが、動作を習得するためにどれくらい繰り返し練習すればよいのか回数を報告しています。

手編み150万針(セーター20枚)
バイオリン250万小節
フットボールのパス140万パス
野球の投球160万球
歩行300万歩
協調動作のエングラムを発達させるために必要な運動パターンの反復回数

 【万】という数字が並んでいますね。

 かなりの数をこなさなければ習得できないという報告です。歩行ですと300万歩ですから、毎日およそ1万7千歩あるいて、半年かかる計算です…。

 毎日、こつこつ練習して積み重ねてきて動作を習得するわけですから、時間がかかるわけです。病院で出来るリハビリは期間が決まっている場合があり、その期間内だけで習得するような反復回数をこなせるかどうかは正直疑問です。

 また、この研究はあくまでも身体機能や脳機能に問題を抱えていない人で算出したものです。

 マヒによって手足が上手く使えない、体をじょうずに使えない患者さんにとっては「大きな負担」にもなります。

もっとも効率よくリハビリするためには

 この膨大とも思われる運動の繰り返し学習

 もっと効率よくできないものか…これにはあるポイントを押さえることが重要です

 それが「体のイメージを作る」

 ひとつひとつの動作を反復練習するだけでなく、体の使い方や自分の身体に対する認識を高めていくことが大切です。

 つまり、できる限り「理想的な運動のイメージと、実際の運動を比べる」ことによって、運動の学習の効率をあげることができます。

 「体のどの部分にエラーが生じているのか、ピンポイントで見つけ出してそこを治す」

 ということです。

ちょっと専門的な話はコチラ↓↓

【3ステップ】効果的な練習方法

 効果的に繰り返し練習をするためには【イメージ】を活用しましょう。

① 自分の体をきちんとイメージしましょう

まずは、自分の体をきちんと把握できるようにしましょう。

あなたの体の大きさ、一歩の幅、頭の位置、肩の位置、腰の位置などなど、できる限り正確にイメージできるように練習しましょう。

② お手本をみつけましょう

 あなたが覚えたい動きはどんな動きですか?

 お手本となる動きを教えてくれる人を探してみましょう。あるいは、映像でもよいです。
 

 お手本を見て自分の体に頭の中で置き換えてみましょう。動きをイメージしてみるのです。

③ 実際に動いてみましょう

 イメージが整ったら、実際に動いてみましょう。

 ここで自分の動きとイメージしていたものが、どのように違うのかを感じ取ってください。

 もしわからなければ、誰かに教えてもらいましょう。

 ◎この流れを繰り返していくことで、効果的に運動学習をすることができます。

ゆー
ゆー

子どものリハビリでは、この一連の流れが自然に学べるように

遊びの中に取り入れられています。

誤った運動学習をしてしまう可能性も

 正しい体の使い方をそもそも理解していない状態では、自分自身やセラピストが理想とする運動はなかなか行うことができません。

 それは「体のうごきをイメージできない」からです。

 「体をうまくイメージできない」 → 「思ってたのとは違う動きが出る」

 この時に

 「思っていた動きとちがう」 

 これに気がつけるかどうかで運動の学習が大きく変わってきます。

 もし、その違いに気がつくことができなければ「誤った運動を繰り返し行うことになります」

 病院でリハビリを受ける人は麻痺やいたみ、うまく身体機能が使えない方がいます。動作を行うために通常とは異なった動きをする場合があります。これを「代償動作」といいます。

 代償動作を繰り返していると、脳はそれを学習していきます。

 ある研究ではこんな報告があります。

・代償動作を繰り返すことで、脳組織自体が変化する

 例えば、サルの中指と薬指をくっつけます。すると、脳のなかで指の感覚をつかさどる部分が徐々に変化していきました。もともと中指と薬指は別々の領域です。しかし、ゆびをくっつけたことによって、その別々の脳の領域がひとつになってしまったのです。

ゆー
ゆー

もちろん、代償動作のすべてが悪いというわけではありまん

失った機能を代償することで生活につなげることができるのもまた事実です

まとめ

 一度、学習されたものから再び、通常の状態あるいは通常の動きに戻していくリハビリは大変時間がかかります。

 【クセ】ってなかなか直しにくいですよね。それと似ています。

 できる限り良い動きを学習していくためには、やみくもに繰り返し学習をするよりも、きちんと自分の体を把握し、イメージをすることによって、効率よく学習することができます。

 繰り返し学習の効果も高まるでしょう。
 

 ちなみに、小児のリハビリも、はさみや箸の練習というよりは、それら応用動作を学習しやすくするための、基本的な体の使い方を練習するわけです。

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