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専門解説! 排せつケアのために排尿、蓄尿の仕組みを知る。

四男のズボンがやけに小さいズボンをはいています。片付けたはずなのに、どこから持ってきたのでしょうか?
体が徐々に大きくなって、今まで来ていた服が小さくなる。
わが家は4人兄弟ですから、服はおさがりしていきまして、4男が着れなくなると、その服は役目が終わります。ずーっと子どもたちが着てきた服ですから、なんだか寂しく感じますね。

センチメンタル どうも、ゆーです。
成長の喜びの裏側で、いつも寂しさが付きまといます。

さて、がらりと話は変わりまして、最近トイレトレーニングや排せつについての相談を受けました。
一般的なトイレトレーニングは、わが家も経験しているのでイメージがつきますが、排尿や蓄尿のことについてあいまいな部分もあり、発達的な部分もからめて調べてみました。

まずは排尿・蓄尿の仕組みからお話します。
排尿・蓄尿に関わる臓器といえば、膀胱(ぼうこう)ですね。膀胱は筋肉で出来た袋状の臓器で、伸び縮みします。
膀胱から尿道という水路を通って、体の外に排出されるわけですが、尿道に栓をしておかないと、ながれっぱなしになってしまいます。
その栓の役目をしているのが、内尿道括約筋と外尿道括約筋です。
(ちなみに、この内尿道括約筋は膀胱の筋肉の一部という意見もあります。ここでは外尿道括約筋だけで記述しています。)

尿をためる(蓄尿)時は、膀胱(の筋肉)はゆるみ、反対に尿道括約筋はもらさないように縮みます。
排尿する時は、膀胱(の筋肉)は縮み尿道括約筋はゆるん、栓をはずして尿が流れるようになります。
では、尿意という感覚はどのように感じ、どのような脳の活動で排尿にいたるのでしょうか。
膀胱や尿道などの下部尿路といわれる部分は、自律神経と体性神経の両方から神経支配をうけています。
尿をためる時(蓄尿)は、膀胱が伸びている(伸展)という感覚情報が、神経を通じて脊髄(仙髄)に入り、陰部神経核という部分にはいると、外尿道括約筋を縮める命令がでます。
また、膀胱が伸びているという感覚情報は、脊髄を上っていき交感神経をつかさどる部分にはいります。この交感神経の刺激により膀胱の筋肉がさらに緩んでいき、尿をためていきます。

うん、わかりにくいので、アニメーションをどうぞ。前方にあるのが、膀胱です。後ろのあるのは、脳や脊髄といった中枢神経です。

【蓄尿時】*作成:セラピストゆー(無断転載禁止)

一方、排尿をするときはどうでしょうか。

膀胱からの情報は、脊髄にはいってという中枢神経にある、排尿中枢に入ります。そこからの命令が、また脊髄をくだって外尿道括約筋に命令を伝えると括約筋がゆるみます。加えて、その命令により膀胱の筋肉が縮んで尿を排出するという一連の神経反射がおこります。
はい、アニメーションです。

【排尿時】*作成:セラピストゆー(無断転載禁止)

ちなみに、自分で排尿を止めることもできますよね?これには、前頭葉の活動が関係していると言われています。前頭葉からの命令が脊髄を下って外尿道括約筋をしめます。


【自分の意思で排尿を止める時】*作成:セラピストゆー(無断転載禁止)

こどもの排尿の発達は、知能・言語や身体の発達にともないます。

1歳前後で尿意を自覚し、徐々に「おしっこでた」と排尿の告知ができるようになります。さらに、2歳から3歳ころ、大人が「おしっこでそう?」と尿意をつたえるように促すと、排尿する前にいうことが出来るようになります。
そのころになると、トイレトレーニングが始まり、トイレという場所や便器という認識、更衣、後始末のための方法などを学習していきます。
徐々にトイレでの排尿が習慣化してくると、自分でトイレにいって排泄できるようになります。
こうやって考えると、排泄のケアは、排尿だけではないですね。
・尿意を訴えるコミュニケーション能力
・トイレという場所や便器を認識する知的能力、視覚機能
・トイレまで移動する運動機能
・衣服の着脱
・後始末の方法
やはり学習するためには、自分自身の感覚を認識する事コミュニケーション(言語問わず)、場所や方法を学習する知的能力、実行する運動機能が大切になってきます。

以上、排尿・蓄尿の基本的な仕組みの話でした。

お読みくださってありがとうございました。
引用文献
・土田正義:排尿の神経支配.日泌尿会誌.80巻9号.pp1257-pp1277.1989
・山口晶子ら:小児Female Urology.泌尿紀要53.pp441-pp444.2007
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