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【しくみ解説】さすると和らぐ痛みのしくみとゲートコントロール理論

痛み,感覚,リハビリ もっと知りたい小児の知識

 「いたいの いたいの とんでゆけ~」

 子どもに母親が声掛けしながら、痛いところをさすっています。

 「痛いところをさすると痛みが和らぐ」

 これにはきちんとした理由が存在します。

 今回は、痛みの仕組みについて興味深い理論を見つけたので解説していきます。
 やや専門的な内容ですが、どなたにもわかりやすく解説していきます。

痛みの「門番」 ゲートコントロール

 冒頭でお話した、痛いところをさするという行動は、このゲートコントロール理論をつかっています。

 カンタンに言うと

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痛みの門番

感覚には門番がいます。

痛みが来たときは、門番はそれを通します。

痛みと触覚が同時にやってきたとき、触覚を優先して通します。

神経と細胞のゲートシステム

痛みの刺激ではたらくT細胞

 痛みのような侵害(しんがい)刺激、つまり体にとって危険となる信号は、T細胞(広作動域侵害受容ニューロン)を刺激することで脊髄(せきずい)を通って、大脳に向かいます。

 このT細胞には、侵害刺激だけでなく、体性感覚(体のセンサーで無害な感覚刺激)もつながっています。

 ようするにT細胞には、体性感覚を通す電線と侵害刺激を通す2本の電線がつながっているわけです。

 ▸このT細胞が活性化すると、痛みのような侵害刺激を脳に通します。

 ▸このT細胞の働きが抑えられていると、逆に痛みを抑えます。

T細胞をコントロールする膠様質細胞

 そして、このT細胞というニューロン細胞の働きをコントロールしている細胞があります。

 それが膠様質細胞とよばれるものです。この膠様質細胞の特徴は、門(ゲート)の役割として働きます。

 ▸無害な体性感覚が強く(優位に)働くときは、T細胞の働きを抑えます。

 ▸痛み刺激が強く(優位に)働くときは、T細胞の働きを促進させ、大脳に痛みの刺激を伝えます。


 冒頭にお話しした痛い部分をさする痛みが和らぐのは、
 さすったところから触覚など無害な体性感覚が入ってきます。その体性感覚が強く入ることで、門番である膠様質細胞がT細胞の働きを抑えるのです。だから、痛みがやわらぐのです。

痛み,リハビリ,ゲートコントロール

脳卒中のしびれ

 ここからは仮説ですが、脳卒中の患者さんのなかには痛みやしびれを強く感じてしまう方がいたり、冷たい・熱いなどの感覚が過敏な患者さんがいます。
 このゲートシステムがうまく作動しないために、起きているのではないかと推測できます。侵害刺激をうまくコントロールできていないことが要因なのではないかと…。

まとめ

 「痛いの痛いのとんでゆけ」とさすることには、効果がある

 痛いところをさする意味は、きちんとした科学的な根拠がありました。日常の疑問におもったことを調べてみると、意外な発見があります。

 お読みいただきありがとうございました。

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