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専門解説! 認知症と発達障害には共通点があった!?

学校からなわとびの斡旋が届きました。
なわとび、最近の物はいろいろな工夫がされていておもしろいです。
でも、無くなる率が高い物品のひとつだと思っています。一年越しに存在していたなわとびは我が家ではごくわずか。うちだけかなぁ…

最近、二重飛びができるようになりました どうも、ゆーです。
子どもの頃はできませんでしたが、大人になって、この年齢になって出来ることもあります。
なんでも挑戦が大切!

さて、わたしは、小児リハビリのほかにも認知症外来で認知症のかたを対象とした検査やリハビリをしています。
今回はちょっと専門的ですが大変興味深い、認知症と発達障害の類似性についてです。

文献によると、意味性認知症と自閉スペクトラム症の症状を比較すると、類似する部分が多くあるという報告です。
意味性認知症とは、進行性の意味記憶障害を主とした神経変性疾患です。
よくわからないですね、進行性とは症状が進行していきます。意味記憶とは、言葉の意味とか知識とか、そういったものの記憶をさします。それが障害されるのが意味性記憶障害。その原因となるのが、神経変性、つまり脳の細胞が変化することで引き起こされるわけです。
一方、自閉スペクトラム症は先天性の発達障害で、コミュニケーションの質的な低下、社会性の低下、常同行動(同じ行動を繰り返し行う)、こだわり、感覚の変質(過敏さ、鈍感さ)などが見られます。
この大人で起こる意味性認知症と発達期にみられる自閉スペクトラム症、この二つの疾患で共通している部分を書き出しながら、自閉スペクトラム症が引き起こす症状の要因をひもといていきましょう。
まずは、行動面です。
たとえば、自閉スペクトラム症の患者さんは、自分の興味があることを一方的に話そうとします。相手がそれについてどのように思うのか関係なく、目も合わさず。
同じような行動が意味性認知症の患者さんにも認められました。
相手への配慮や感情・思考を共感することが苦手となり、社会性の低下を招いています。
また、コミュニケーション面だけでなく、興味があることに没頭する、自分が決めた行動にこだわりをみせるといったことも共通して認められた症状のようです。
つぎに認知面についてです。認知面とは、外部環境からどうやって情報をえるのか、情報を処理するのかといった頭の中の働きのことをいいます
たとえば、会話をするときに通常ですと言葉の意味を理解しつつ、全体を意識しながら内容を把握していますが、自閉スペクトラム症の患者さんは、単語一つ一つ、細部にこだわってそれにとらわれてしまうことで、会話の全体が把握できず、結果的に場面や文脈を読み取ることができないことがあります。この細部にとらわれてしまう症状は、意味性認知症の患者さんにも同じように認められました。
ちょっと難しいですね。上記ではことばや文章を例に出したのでわかりにくかったと思います。
これは、物でも同じようなことが起きます。ようするに、細かい部分に目がいってしまうということは。同じ色やもの、大きさなど具体的なことにばかり注目してしまうのです。
文献ではしゃもじが例に出されています。
患者さんが慣れ親しんだプラスチックの白いしゃもじは「しゃもじ」と認識できるけれど、木で出来た茶色いしゃもじは、しゃもじと認識しなかった。
という症状がみられました。

(少し離れてみるとちょうどよいです)
しゃもじはごはんをよそるときにつかう道具ですから、いろいろな形や色はあれども、その道具がもつ本質は変わりません。
しかし、細部にこだわりすぎてしまうと、しゃもじがもつ本質的な道具の意味ではなく、その形、大きさ、色といった具体的なことに過度に反応してしまい、結果、違う色や形はしゃもじではないと判断してしまうのです。
うーん、難しい。
もっと形が違うけど同じ概念や本質をもつもの・・・
スプーンはどうでしょうか?

(あ、すこし離れてみてください)
銀色のスプーンと、アイスクリームを食べる時の木べらみたいなスプーン、おなじ食物をすくって食べる道具という本質、属性は同じですが、色や形は違いますね。でも、私たちは同じスプーンであると認識できます。でも、細部にこだわるとちがうものとして認識してしまい、カテゴリーというか抽象的なことを理解できなくなるわけです。
こういった全体が読み取れないとか、文脈を読み取れないと、ものごとを関連付けてかんがえることが難しくなります。
たとえば、「日中」「家にお父さんがいる」この状況をみたとき、日中とおとうさんが家にいることを結びつけますよね。そしてそうぞうします。

「あれ?きょうは仕事やすみなのかな」「ちょうしがわるいのかな」「なにか用事があるのかな」
みたいな感じです。

でも、関連付けることができないと、「日中」「お父さん」「そこに(家に)いる」というばらばらの状況把握しかできず、いろいろな想像や思考の選択ができなくなってしまいます
これによって相手への配慮に欠ける行動だとか、相手の感情に共感できないとか社会性の低下が起こってきてしまうわけですね。
だいぶ長くなりましたが、コミュニケーションやこだわり、社会性は、情報処理の仕方から引き起こされている可能性があるということです。
また、意味性認知症と自閉スペクトラム症、この二つが共通しているということは、両方ともなんらかの脳の機能が原因で引き起こされているということが示唆されます。

お読みくださってありがとうございました。

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