自閉症の症状を改善させるなにか良い方法はないでしょうか?
じつは「葉酸」がそのカギを握っている可能性があるのです。
葉酸はビタミンのひとつです。
葉酸とはビタミンの一種です。
妊娠中に取るとよいと言われる代表的な栄養素のひとつです。この葉酸は、とくに「神経」の発達や成長に大きな影響を与えています。
このように妊娠中のサプリメントの代表選手でもあります。
この「葉酸」によって、自閉症の症状が良くなったという報告があるのです。
葉酸が足りない!?
自閉症と葉酸との関係について、こんなデータがあります。
自閉症スペクトラムのお子さん「32例」に血液検査を行い、「8例」において、葉酸値の低下、ホモシステインの上昇を認めました。
ホモシステインというのはアミノ酸の一種で、葉酸欠乏症では、ホモシステインが高値になります。
つまり、こういうことです。
自閉症スペクトラム症のお子さんの中には、「葉酸が足りない」お子さんがいる
葉酸欠乏(けつぼう)症とは
「脳内葉酸欠乏症(CFD)」は、
1.乳幼児の頭部成長の遅れ
2.発達の遅れ
3.ジスキネジア(自分ではコントロールできない、勝手に体が動く症状)
4.言語障害
5.てんかん
上記のような症状を引き起こすと報告されています。このことから、葉酸と自閉症の症状には何らかの関係性があると言われています。
食品を使って葉酸を与えると、症状が改善した
葉酸の値が低いお子さんに対して、葉酸を豊富にふくんだ「葉酸たまご」を毎日食べてもらい症状の変化を観察しました。また、たまごが食べれないお子さんに対しては、サプリメントで葉酸をとってもらいました。期間は9か月です。
自閉症の症状はどのように変化したのでしょうか?
自閉症の症状を点数化した検査では、次のような結果がでました。
ちなみに、このグラフはどちらも、同じ8人のお子さんの値です。
また、血中の葉酸の値も次のように変化しました。
・血中の葉酸濃度は8人全員で16%⇒189%(改善率平均91%)の範囲で上昇
・ホモシステインの値は、7%から48%(改善平均25.1%)の範囲で低下
葉酸を多く含む食べ物
葉酸を多く含む食べ物には、こんなものがあります。
*いずれも100グラムあたりの含有量。水溶性なので、ゆでると葉酸は水に溶けて少なくなります。
葉酸だけでなく、いろいろな栄養素はバランスよくとることが大切です!
まとめ
今回の例はきちんと血液検査を実施し、医師の診断に基づいて行われた治療ですので、すべてのお子さんにその効果があてはまるわけではありません。
でも、大変興味深い研究でもあります。
なぜなら、ふつうの「食品」だからです。日々の食事で症状が改善できるのなら、これほど良い治療方法はありません。
葉酸たまご、見つけたら今度買ってみよーっ。
葉酸たまご&サプリメント
〇葉酸たまごは楽天の通販でも購入することができます。
〇葉酸たまごのスープ
もちろん、サプリメントも!
引用文献
・大井静雄他:「発達脳専門外来」にみる発達障害100例の病型分類および自閉症経年的症候推移分析法[Oi-PDD chronology Score(versionⅢ)]考察による自閉症スペクトラムとADHDの自然歴からみた治療効果の解析法.Journal of kid’s Brain Science.vol1 No.1 pp43-pp56.2018
・大井静雄他:Incidence of “Autism Secondary to Folic Acid Deficiency” in Autism Spectrum and Efficacy of the Dietetic Therapy with “Folate-enriched Egg”.Journal of kid’s Brain Science.vol1 No.1 pp57-pp65.2018
コメント