つらい宿題の一つに読書感想文があります。
だがしかし、これを読めばだれでも簡単に読書感想文を書くことができる解説シリーズ パート2です。
さて、パート①からの続きです。
ポイント④ 作中の印象的な文章をピックアップする
読みながら、印象に残った文章を付箋やマーカーでチェックしておきます。
とくにステップ①で紹介したテーマや「軸」を読み取れる部分の文章がベスト!
このピックアップした文章は、作文を書くときに使っていきます。ピックアップしたと同時に、どんなことを感じ取ったのか、どんな解釈をしたのかを考察しておくと、あとで書くときに楽です!
といっても、イメージがつきにくいかと思いますので、2つの例を挙げてみましょう。
例①「あかたろうの1・2・3の3・4・5」というお話
あかたろうの1・2・3の3・4・5 (おにのこあかたろうのほん 1)
北山 葉子
偕成社
1977-03T
ある日あかおにのあかたろうくんは外から帰ってくると、お母さんがみあたりません。
おにのあかたろうは、お母さんがいそうなところに電話をかけていきます。その電話の話からお母さんが買い物に行ったことと何を買ったのかを知るあかたろうくん。
じつはこの買い物の中身は、お父さんとあかたろうくんが大好きなエビカレーの材料でした。
この本のなかで私がピックアップした文章が、こちらです。
「ぼく まほうつかい。おかあさんの かごのなかみをしってるよ」
これを使った感想文の例
あかたろうくんはいろいろな人に電話をして、お母さんが何を買ったのか、何を作ろうとしていたのかを知っています。そこでお母さんをビックリさせようとする気持ちと、お母さんが何を作るのか分かった瞬間のお母さんの優しさをこの文章から感じました。本には得意げな表情をしたあかたろうくんも描かれており、お母さんをびっくりさせようとする楽しそうな様子が伝わってきます。(178文字)
例②アメリカン・ブッダより「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」
柴田勝家氏のアメリカン・ブッダより「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」というSF短編小説
柴田 勝家
早川書房
2020-08-20
生まれながらにしてVR(仮想現実)の世界しかしらない一族のスー族。その民族の住んでいる仮想現実世界がどんなものなのか、その世界観の研究・報告という形で話が進んでいきます。
この本のなかで私がピックアップした文章が、こちらです。
「私たちは与えられた情報を、頭の中で想像した姿で補正している」
これの文章は物語の終盤に出てくる一文です。たった一つの文ですが、本の「テーマ」と「軸」を見つけることができます。
これを使った感想文の例
どんなに科学技術が発達したとしても、それを利用するのは人間です。私たちの脳自体が持つ曖昧さを表現していると同時に、人が持つ想像力の奥深さを表現していると推測できます。そして、私と他人とでは同じ情報を与えられたとしても、その人がもつ想像で補正しているので同じではない、それが多様性であり、個性であると読み解くことができます。(161文字)
さすがにこの本の内容は難しいので、中学生以上向けですね。
まとめ
ピックアップした文章をもとに何を感じ取ったのか、どんな解釈をしたのか話を膨らましていくわけです。この点をふまえて、本を読んでください!
感想文を書くためのアイデアが、本にはたくさんつまっていますよ!
テーマや軸をどう読み取ったかを書くだけで、原稿用紙の半分(200文字程度)まで埋めることも可能です!
つぎのパート③はいよいよ感想文を書いていきます。
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