2023年 箱根駅伝 大八木監督率いる「駒澤大学」が総合優勝を果たしました。
この大八木監督は「昭和の頑固おやじタイプ」の指導方法でした。
監督が「右」といったら「右」。絶対的な存在としてチームをけん引してきました。当時の選手たちにとっては近寄りがたい存在であったと。
しかし、近年になって監督の指導方法は変化します
それが、「対話型」
選手との対話を重要視し、意見を取り入れながら選択肢を与えるという物でした。
この民主的な指導は、子育てにも効果的です。
ちょっとこのデータをみてください。
母親の養育態度と子どもの性格
母親の養育態度、つまり親のしつけの方法と子どもの性格を調べた結果です。
子どもの気持ちをよく理解し、自主性を尊重しのびのび育てる。子どもの良き遊び相手、良き話し相手になる親のしつけ方法を「民主的なしつけ」といいます。
このしつけ方法で育った子供は、次のような性格になる傾向があると報告されています。
母親 → 民主的
子どもの性格 → 独立的、協力的、社交的、親切、素直
この子どもは、体も心も安定したうえで、自信をもって成長することができます。また、協力的であったり、社交的であり友好関係も良好です。
一方で、反抗的な態度をとることは少なく、忍耐力や決断力に富んでいます。
監督が総合優勝を導いたように、親もまた子どもの性格を導くことができるのです。
民主的なしつけの方法
叱り方は「感情」か「説明」で
たとえば、子どもが壁にいたずら書きをしたとします。
このときにまずすべきことは
・子どもがそうしたかった気持ちや理由をかんがえる
「そこに書きたかったんだね。でも、壁は書くところではないよ。紙に書こう。」
「大切なお家だから、大事にしてくれないとお母さんは悲しい気持ちになるよ」
子どもの気持ちを考えたうえで、ダメな理由を説明します。あるいは、自分の感情を言葉で表現します。そして、その代替え手段を提案してあげるのです。
「あなたの書いたものはとっても上手だから、こっちの紙に書いて取っておきたい」
という風に、壁から自然に紙に描けるように誘導しても良いでしょう。
頭ごなしに「壁に書いたら、ダメでしょ!」を言ってしまうと、この次の展開が素直に子どもに伝わらない可能性があります。
しかり方の詳しい話はコチラ↓↓↓
必見!反発をまねく叱り方と効果的な叱り方
ダメな時はきとんと我慢させる
たとえば、子どもがバスや電車のなかで外を見たがった。このときにどうしつけるでしょうか?
・混んでいなければ、迷惑にならないよう(靴を脱いだりして)許可する
・混んできたら、気持ちを理解したうえで、状況を説明して我慢させる
良いときと、ダメな時のメリハリをきちんとつけて、それを子どもに学習してもらうのが「しつけ」です。あまりにも自由にさせ過ぎてしまっては、子どもが学ぶチャンスを奪ってしまうことにもなりかねません。
当然ながら、火遊びや高所から無謀な挑戦をするといった、命に関わるような危険な遊びはやめさせなければなりません。その時も、強く叱るのではなく「説明」をすることが大切です。
子どもになにかをやめさせたい、制限をかけたい状況こそ「子どもが学ぶチャンス」だと捉えるべきです。
生活や勉強面は自主性をそだてる
生活や学習面は「自主性」が育つように工夫します。
ほめる・認めるは「自然なお手伝い」をそだてる
たとえば、「片付け」は次のようにするとよいでしょう。
・片付けをしないときは、親が一緒になって片づける
・片付けがしやすいように、場所を決めたり入れ物を用意して環境を整える
・次のあそびにうつるときは、片づけるルールを決める
子どもが「片付け」を学べる環境を整えることが大切になってきます。
ここで重要なのが「片づけなさい」と命令しないことです。
何事も「親が一緒になって行う」がスタートです。そして、できたら「ほめる・認める・感謝する」この声かけが学習につながります。
その他の掃除や洗濯などのお手伝いはどうでしょうか?
・親と一緒に洗濯や掃除をする
・興味をもったら「子どもにさせてみる」
・上手にできなくても「認める・感謝する」声掛けをする
親と一緒に掃除や洗濯などをします。子どもはもともと「大人がすること」に興味津々です。
いくつかのお手伝いをしたうえで、もっとも興味があるものを「子ども」にさせてみます。
それが上手、下手は関係ありません。お手伝いしたら「認める・感謝する」声掛けを必ずすることによって、次のお手伝いへのモチベーションにつながります。
さらに興味をもって取り組むお手伝いは「楽しい」というポジティブな感性を生み出します。その「たのしい」と認められて「うれしい」という感性をそだてることによって、自主的に活動すること、自分への自信や親への信頼感が育ってくるのです。
ポジティブな感性について詳しくはコチラ↓↓↓
脳科学が証明する。子どもの能力・才能はポジティブの感性から!
勉強面は「興味」がスタートライン
本来、学びとは「興味」からスタートします。
「曇ってなんでうかんでるの?」
「夜はなぜ暗くなるの?」
「書いてある文字ってなんて読むんだろう?」
色々ななぜ?や興味・好奇心が子どもの自分で学ぶ力をそだてます。
・子どもの「なぜ」に対して、親ができるだけ丁寧に答える
・忙しいときでも、なるべく「こどものなぜ」に答えるようにする
・言葉、文字や数字は興味をもったところで、丁寧に教える
・自分で学習できるよう、年齢に合った知育おもちゃ、学習教材を与える
・子どもが上手にできないとき、「アドバイス」をするが、すべてを援助せずにできる限り自分で達成できるようにする
勉強という学びの場面で自主性をそだてるには「興味・関心」と「年齢に合ったもの」が大きなポイントです。
どうしても熱心になりすぎて、子どもが持っている能力以上の知育おもちゃや学習教材を与えてしまうことがあります。当然子どもに合っていませんから「上手にできない」。
すると、与えた親は「上手にできない子ども」にイライラしてしまいます。子どもは「上手にできない」ことで面白くありませんから興味を失います。これでは、ネガティブな感性を育ててしまい、府のスパイラルに陥ってしまいます。
・子どもは自分にとって必要な遊びと学習に対して「自然に興味を持つ」
この「興味をもったタイミング」がもっとも能力が伸びるタイミングです。このときに、自分で学習できる環境を整えてあげることで、自主的な学びへとつながっていきます。
「年齢に合わない教材」と「これをやりなさい」といった押しつけでは、社会で成功するためのココロや自主性は育たないのです。
規則正しい生活とあいさつ
規則正しい生活は、体とココロの健康を保つうえで重要なポイントです。
・休みの前の日、休みの日でも決まった時間に寝る、起きる
・適度な運動や外遊びをする
・寝るときは、静かに寝れるよう環境を整える
・テレビやYOUTUBE、ゲームはダラダラやらないようにルールを設ける
あいさつは子どもの社会性をそだてるために重要なポイントです。
・親が率先して「あいさつ」をする
・親から「ありがとう」を伝える
・親から「ごめんなさい」を言う
子どもの体調管理に気を遣う
子どもの体調には十分注意が必要です。近年では、異常な暑さを観測するときもあります。気温の変化に気を付けましょう。
また、子どもは体が小さいので「熱がこもりやすい」傾向にあります。冬場は服の着せすぎに注意が必要です。大人の感覚で子どもに服をきせると、かえって着せすぎの場合があるため一枚少ないくらいがよいでしょう。
風邪などの病気だけでなく、ココロの状態にも気を配ります。落ち込んでいたら、優しい声掛けや慰めの声掛けをしましょう。
その他にも、子どもが触ったらケガをするものは手が届かないところにおく、入ってはいけないところはゲートをつける、教えるといった家庭内での事故にも注意と防ぐための工夫が必要です。
まとめ
子育ては真っ白なキャンバスに描いていくようなもの
どんな絵を描くのかは、子ども自身の力と親のしつけ方法によって異なってきます。
子どもが自信をもって成長できる「基盤」は、親の健全なしつけ方法にあるといっても過言ではありません。
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引用文献
・松原達哉:親子関係と子どもの性格
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