中学生になると口ケンカがより高度なものとなりまして、相手の矛盾点をつき、そこを攻撃していきます。つまり、理屈で相手を論破するようになります。
わたしは大人としてそれを聞いていていると、お互い様な内容なんですけれどね。
理屈っぽいのは、親の影響でしょうか?
口ケンカではなく「討論せよ」と言っています。 どうも、ゆーです。
兄弟ケンカも、自分の言葉で主張し相手と議論する練習にしてしまおうという魂胆です。
言語発達について本を読んでいたら、興味深い比較を見つけました。
英語と日本語の語彙獲得の差についてです。
英語を母国語とする子どもと日本語を母国語とする子どもの語彙獲得の比較についてです。
話すことができる語彙を表出語彙といいますが、1歳半頃からこの表出語彙は爆発的に増えてきます。このころは「これなに?」「これ?」とたくさん大人に物の名前を聞いてきますよね。この時期は、物の名前など事物名称つまり名詞が増えてきます。
この事物名称について、英語と日本語で比較すると次のような結果になりました。
表出語彙が200語くらいの場合、事物名称が占める割合は、
英語児は全体の60%
日本語児は全体の45%
表出語彙数が600語くらいの場合、事物名称が占める割合は、
英語児は全体の45%
日本語児は全体の40%
このように英語児と日本語児では名詞の語彙獲得に差があるということです。
では、動詞や形容詞など名詞以外の語彙ではどうでしょうか?
これについては英語、日本語での差はなく
200語くらいの場合で、全体の20%
600語くらいの場合で、全体の25%
という結果が得られました。
なぜ、名詞だけ英語と日本語で差があるのでしょうか?
これについては研究中ということだそうですが、日本の母親の言語入力は動詞が多く、また日本語は主語や目的語の名詞を省略することがあるという言葉の構造が影響していると考えられています。
良いとか悪いとかではなく、日本語の構造や文化的な背景によってこのような差がでるんでしょうね。
語彙獲得には個人差がありますが、子供の成長と生活の広がりとともに、大人とことばをかわすという社会的相互作用による部分が大きいとされています。
それを裏付けるような、こんな文献もありました。ただし2004年の研究ですのでやや古いです。
TVの視聴時間による有意語出現の遅れについてです。
この研究によると、4時間以上TVを見ている子どもでは、4時間未満の子どもの比べて、有意言語出現の遅れ率は1.3倍であったと報告されています。
また、子どもの近くでTVが8時間以上つき、なおかつ子どもが4時間以上TVを視聴している子どもの遅れ率は、TVのついている時間・視聴時間が少ない子どもに比べて2倍程度という結果がでています。
さらに、長時間TVを視聴していてかつ、その時に親の話しかけが無い子どもの場合、そうでない子どもと比較して、2.7倍の遅れ率があると報告されています。
ずっとTVを見ているあるいはTVがついていると、大人との会話が少なくなってしまいますし、大人も頻繁にはしゃべらなくなります。これが子どもの言語発達に遅れを招いている要因だと考察しています。
いまはYouTubeをはじめとしていろいろなメディアに囲まれている時代。
YouTubeを見ているときに、子どもはおとなしくしていて、便利である一方で、もしかすると言葉の獲得に影響を与えている可能性も否定できません。
やはり、日々の会話、親とのコミュニケーションを多くできるような生活習慣や、親子で一緒におもちゃで遊ぶということが大切なのでしょう。
お読みくださってありがとうございました。
コメント