こどもとおもちゃ屋さんに行ってきました。楽しそうなものがたくさんありますね!わくわくします。つい買っちゃいますよね、おもちゃ。今度レビューします
浪費ではない学びだ! どうも、ゆーです。
おもちゃを買って子どもと遊ぶことは、わたしにとって大きな学びです。自分を成長させるための投資ですから!浪費なんて言わないで…。
さて、とうとつですが皆さんに質問です。
「私たち、大人の役割ってなんでしょうか?」
子育て中の親だったり、あるいは療育や保育、教育を行う支援者が子どもの発達をよりよいものにするためには、どこに関わるとよいのでしょうか?どのようなかかわりが良いのでしょうか?大人の役割はどこにあるのでしょうか?
これにこたえるために理解しておくとよい考え方があります。
それが「最接近発達領域」です。
子どもは他者との相互関係のなかで学んでいく。
子どもは生まれた直後からお母さんをはじめとした他者と出会い、かかわりを持つことで、影響を受けたりいろんな経験をして学習したりしながら発達していきます。
発達心理学者のヴィゴツキーは「精神間作用」から「精神内機能」へという発達の流れがあることを提唱しています。
・精神間作用=他者と共同あるいは規範とした世界
・精神内機能=自分の中の能力として獲得
どういうことかといいますと、子どもは生まれた瞬間から他者との関わりの中でいろいろなことを学びますが、まずは他者をお手本としてどのように周囲やこの世界を捉えているのかを学んでいきます。
他者と共同あるいは規範としながらこの世界を知ることで、それを今度は自分自身の能力として獲得していくわけです。
運動、知的などの基本的な発達から社会性の発達、さらには認知機能や身体イメージなど自分の中にある能力を含め、あらゆるものが他者との関係性をもって発達していくのです。

子どもが親の影響を強く受けるのは、これがあるからですね。
最近接発達領域とは
この最近接発達領域とは、「子どもが自分の力で解決できる解決あるいは解くことができる問題を基準とした今現在の発達段階」と「大人や有能な仲間との共同、あるいは援助によって解決・達成できる発達段階」の間の部分をさします。
わかるようで、わかりにくいです。ようするに「ひとりで達成できる発達段階」と「だれかと共同あるいは援助をうけて達成できる発達段階」と言い換えましょう。
「誰かのお手本・援助」を通じて可能だったことが、徐々に「自分で出来る」ようになっていきます。この自分で出来る領域を広げていくことが発達を進めていくということであり、その最前線が「最近接発達領域」といえます。
列車に例えるなら、客車は「自分で出来る領域」、その先に広がる線路は「大人や誰かの援助を受けて出来る領域」、そしてその客車を引っ張る動力部分が「最近接発達領域」です。
つまり、この動力源に大人が適切に支援、介入することで、子どもが一人でできることを増やし、その先に広がる次の世界に発達の列車を進めることができるわけです。

子どもはだれかと一緒になにかの問題を解決したり、大人の援助をときにもらいながら問題に取り組むなかで、子どもはそこから学び、それを自分のなかに取り込んでいく。このプロセスがたいへん重要であるといいます。ヴィゴツキーはそれを「発達」と呼びました。
人の相互作用について考える
他者とのかかわりには、垂直的な関係と水平的な関係があります。
垂直的な相互作用
垂直的というのは、大人から子供へ、教師から児童へ、上級生から下級生へというように上下性のある関係のなかでの相互作用です。代表例は、学校の授業であったり、家庭における親から子供への指導、しつけなどがあります。
水平的な相互作用
水平的というのは、横並びです。つまり、みんなで協力して何かを解決するとか、同じ立場で励ましあうとか、同じ立場で教えあうといった横並びの関係性の中で、情報を共有しあったり、社会的相互作用が展開されていきます。グループワークや理科の実験、集団でのあそびなどがあげられます。
大人が一方的に指導するのではなく、同じ立場の協力関係やチームワークを通じ、子ども一人ひとりが自分の立場を考え行動することを促します。
お手伝いを例に考えてみましょう。
この水平的、垂直的の相互関係を上手に利用することで、子育てや支援がより充実したものになると考えられます。
今回は、子どもと一緒に家の中の家事(掃除、洗濯、食事の準備)を一通り行うという活動を例にとって考えてみましょう。
垂直的なかかわり方
・一緒にプランを立てる中で、より効率よく家事を進めるために必要なアドバイスを大人がする
・家事を一緒に行う中で、掃除の仕方や、料理の作り方を親が子供に教える
水平的なかかわり方
・いくつかある家事を親子の上下関係なく分担し、限られた時間のなかで行うにはどうしたらよいのか、役割分担を決めたり、プランを一緒にたてる
・家事の進行状況をお互いにコミュニケーションをとり、進捗状況を確認したり情報交換をしながら進めていく
子どもが家族の一員として、親と同じ立場に立つということは、自分で考え行動し、その行動に責任をもつということが求められるわけです。一方で、家事の知識や技術、プランの考え方などは親という大人から指導を受けて学びます。
まさに、子どもができることと大人から教わって出来ることの間にあって、その両方をうまく利用して学びにつなげる、この部分こそが「最近接発達領域」です。
まとめ
発達の最近接領域とは、子どもが成熟しつつある領域に働きかける。つまり、あらたな領域に進めるための発達の最前線ともいえる領域です。
大人が一方的に教えるだけは、発達の列車は前に進みません。両親や支援者、教育者はこれを踏まえたうえで、子どもが自ら考え行動し、必要に応じて指導やアドバイスをする。ここに、大人の役割、支援者の役割があるのではないでしょうか。
お読みくださってありがとうございました。
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引用文献
・平田知美:「発達の最接近領域」の概念にもとづいた評価(ダイナミック・アセスメント)に関する研究.中国四国教育学 教育学研究ジャーナル 第4号.pp21-pp29.2007
・皆川直凡:子どもの最近接発達領域を考慮した教育事例の収集と分類.Bulletin of Center for Collaboration in Community Naruto University of Education No.28.pp139-pp144.2014
・浅野大喜:リハビリテーションのための発達科学入門.共同医書出版.2012
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