まずはここから!小児リハを学ぶリハビリ専門解説!

子どもとうまくあそべない…やりとりがうまくいかない…解決の糸口は感覚にあり。感覚を観察するポイント 3選

まずはここから!小児リハを学ぶ
センソリーコミュニケーション

 我が家では、子どもに一つでも継続してできることを促しています。勉強でも、運動でもなんでもいいんです。とにかくコツコツ積み上げることの大切さを学んでほしいと思っています。
 みなさんもなにか続けている事はありますか?

家事を毎日やっているってすごい どうも、ゆーです。
お母さん(お父さんの場合も)は毎日、毎日家事をやっていますよね。それって、普通に考えてもすごいことです!365日休みなくですから…。

さて、発達障害のおこさんと接するときに、どうもやりとりが上手くいかないなぁ、うまくあそべないなぁと感じることはありますか?そんなときに一体どうしたらよいのでしょうか。
 今回はそれを解決するための糸口を感覚から見つけていこうと思います。

やり取りが上手くいかない理由は感覚の問題だった。

 私たちは、自分自身と外部の環境のやり取りによって生活を送っています。外部環境とは、「人」「もの」「場所」と考えるとわかりやすいです。
 発達障害のお子さんの中には、この外部環境とのやり取りがうまくできない子がいます。

いくつか例を挙げてみましょう。

・「ひとと目を合わせない子ども」         これはヒトという環境とのやりとり
・「おもちゃや道具を正しいやりかたでつかわない」 これはモノという環境とのやりとり
・「新しい場所に慣れない・興奮する」       これはバショという環境とのやりとり

 環境から様々な情報を自分に取り入れて生きていますが、そのときに使う体の機能が「感覚」です。この「感覚」を使った環境とのやり取りを「センソリーコミュニケーション」といいます。
 センソリーは「感覚」、ここでいうコミュニケーションとは「人、物、場所などを含む環境とのやりとり」を指します。

 冒頭でお話した「やりとりがうまくいかないなぁ」「うまく遊べないなぁ」と感じるお子さん、もしかするとこの「センソリーコミュニケーション」に問題を抱えているお子さんなのかもしれません。

ゆー
ゆー

センソリーコミュニケーションは、感覚(知覚)やそれを認識する脳の部分を使ったやりとり(コミュニケーション)です。
環境と自分自身とのうちなるやり取りを知ることで、逆にそれをあそびに活かすことができます!

感覚を把握するための3つのポイント

 では、お子さんのセンソリーコミュニケーションをどのように把握したらよいでしょうか。それには3つのポイントがあります。

子どもが好きな遊びを見つける

 子どもの遊びに注目してみましょう。なにを好んで遊びますか?
それがわかったら、今度は遊びに含まれる感覚的な要素を紐解いていきます。

・トランポリンや大型遊具⇒ 固有受容感覚、前庭覚
・くるくるボールが回るおもちゃなど見て楽しむおもちゃ⇒ 視覚
・音が鳴るおもちゃ⇒ 聴覚
・あずき、砂など感触を楽しむおもちゃ⇒ 触覚
・布団に挟まる、ギュッと抱きしめられる⇒ 圧覚・固有受容覚

これらは大雑把に仕分けたカテゴリーです。遊びの解説でもしているように、おもちゃや遊具にはいくつかの要素が含まれますので、ご注意ください。

ゆー
ゆー

これを把握することで、反応が良さそうな感覚を知る手掛かりにしていきます。

あそんでいる子どもの反応をみる

・無反応
・逃げる、不快な反応をしめす
・たのしそう、うれしそうなど良い反応をしめす

 子どもに与えた感覚刺激からどのような反応を示すかを知るということは、脳がどのように反応しているのかを知るということです。当然ながら、良い反応を示した場合は、お子さんとのやり取りに有効な感覚刺激だということができます。逆の場合は、もう一度違った感覚で遊んでみるか、下に書いたことを試してみる必要があります。

ゆー
ゆー

ここで、もうひとつのひみつのポイント
「感覚に強弱をつける」

 感覚に強弱をつけて子どもに与えて、その時の反応をみます。すると、脳が反応を示すために必要な適切な量がわかります。これは、センソリーコミュニケーションを活用するときに、とても重要な情報となります。
例)壁に衝突するくらい強い刺激で、やっと笑うという反応を見せるお子さん

一緒に遊んでいる人に注目できるかどうかをみる

 センソリーコミュニケーションは、さきほど言いましたように「ひと」「もの」「ばしょ」とのやり取り、相互関係を感覚を通じて行うことですから、当然、刺激を与える人に注目しているかどうかも重要な観察ポイントになります。

・刺激を与えた人に注目できる  ⇒ やり取りに使える感覚刺激の可能性があり
・刺激を与えた人に注目できない ⇒ やり取りに使いない可能性が高い、再分析が必要

 このようにして、感覚に対する様々な反応を読み解くことで、「どのような感覚をつかうとやり取りが上手くいくか」がわかってきます。

ゆー
ゆー

やり取りを生み出すには、まず子どもの脳に認識させることが重要!!

そのツールのひとつとして好む感覚を使うということなのです。

もっと深めたい人へ、子どもからのレスポンスを観察しよう

 お子さんが好む(脳が反応する)感覚を用いて遊ぶと、今度はお子さんからレスポンスがかえってきます。

・感覚刺激を「期待して待つ」様子がみられるか
・子ども自ら手を差し出す、もう一回やってほしそうな反応がみられるか

 これを確かめるには、ちょっとしたテクニックが必要です。それは、与える感覚に変化を持たせるということです。たとえを出して説明しましょう。
 例)トランポリン
 連続して強い刺激を与えると、子どもは楽しそうな反応を出します。ここで、いったん止めてみます。あるいは、弱い刺激に切り替えてみます。すると、子どもは自分からもう一回飛んでほしいと言わんばかりにセラピストに近寄ってきます。

 同じトランポリンでも、違う感覚刺激をいれて反応をみるというテクニックもあります。

 トランポリンをやるまえに、3.2.1とカウントダウンをします。トランポリンからの固有受容覚はまだ体には入っていません。耳からのカウントダウン、つまり聴覚という異なる感覚を用いたときに、そのあと起こりうるトランポリンからの刺激を予測できるか、それを期待して待つことができるかどうかを見るということです。期待して待てるということは、カウントダウンを聞いているという、つまり人に注目ができているとも解釈できます。

ゆー
ゆー

どうですか?自然にやり取りが生まれてたでしょ。

感覚統合とは、人と外部環境の相互関係である

 発達障害や小児リハビリの世界では「感覚統合」という言葉をよく耳にします。この感覚統合というのは、ただ感覚を入れたり、感覚をつかって遊べばよいわけではありません。

・子どもが外部環境(ひと、物、場所)とお互いに関係性を作り出せること
・お互いに関係性を作り出すことで、成長に必要な情報が適切に入ってくる
・脳の様々な場所が活性化することで、子どもの世界を広げることができる

 感覚はこれを導くためのツールのひとつにすぎないと私は思います。
たとえを出して解説してみましょう。

 トランポリンやジャングルジムなど体をダイナミックに動かす遊びが好きなお子さんがいたとします。この遊びは固有受容感覚がつよく入るあそびです。子どもは、固有受容覚を求める傾向にあるということですね。(固有受容覚は体の動きを感じる、筋肉の動きを感じる感覚です)
 もっと、わかりやすく言えば固有受容覚を使うと「情報を脳が受け取りやすくなる」ということです。

 ですからトランポリン以外のあそびにも、この固有受容覚がはいるような工夫をしてみます。
 例えば、くるくるチャイムの入り口をガムテープで囲って、玉を入れるときの手ごたえを強くします。すると、その感覚情報を脳が読み取って、手元への注目を集めさせます。
 

生活動作のなかで手元へ注目させたいときにも、これを応用することができますね。もしかすると、これをきっかけに手先の発達を伸ばすことができるかもしれません。体全体という世界から、さらに細やかな手先の操作へと世界を広げたと言えます。

ゆー
ゆー

脳が反応する感覚を使う

環境から脳に適切な情報がはいる

良い経験、体験ができる

より脳が活性化する

さらに良い経験、体験ができる

このような良循環を生み出すことができます。

まとめ

 感覚統合にまで、話を広げてしまいました。別で話をすればよかったな。いずれ、私なりの考えを改めてまとめていこうと思います。
 このブログが発達障害のお子さんを持つ両親や支援者のお役に立てれば幸いです。
お読みいただきまして、ありがとうございました。

引用文献
・小松則登 他:センソリーコミュニケーションと自閉症:OTジャーナル35.721-723,2001

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