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支援者必須 センソリーコミュニケーションの理解と観察ポイント 3選

まずはここから!小児リハを学ぶ

 発達障害のおこさんと接するときに、どうもやりとりが上手くいかないなぁ、うまくあそべないなぁと感じることはありますか?そんなときに一体どうしたらよいのでしょうか。
 今回はそれを解決するための糸口を感覚から見つけていこうと思います。

やり取りが上手くいかない理由は感覚の問題だった。

 私たちは、自分自身と外部の環境のやり取りによって生活を送っています。

 外部環境とは、「人」「もの」「場所」と考えるとわかりやすいです。
 発達障害のお子さんの中には、この外部環境とのやり取りがうまくできない子がいます。

 いくつか例を挙げてみましょう。

・「ひとと目を合わせない子ども」         これはヒトという環境とのやりとり
・「おもちゃや道具を正しいやりかたでつかわない」 これはモノという環境とのやりとり
・「新しい場所に慣れない・興奮する」       これはバショという環境とのやりとり

 発達障害の子供たちが外部環境とのやり取りに困難を抱えることは、理解されています。彼らが直面する問題は多岐にわたり、それぞれが異なる形で表れることがあります。
 例えば、ひとつ目は、他の人とのコミュニケーションが苦手であり、目を合わせることが難しいということです。これは、人とのやり取りが彼らにとってストレスや不安を引き起こす可能性があるためです。
 次に、正しいやり方でおもちゃや道具を使用することが難しいという問題があります。これは、物との適切な相互作用や理解が不十分であるために起こります。
 最後に、新しい場所に慣れないか興奮するという問題があります。新しい環境や変化が彼らにとって予測不能で不安定な要素を含むため、彼らが適切に適応するのが難しい場合があります。

 これらの問題を克服するためには、個々の子供のニーズや能力に合わせた適切な支援が必要です。例えば、社会的コミュニケーションスキルを向上させるためのトレーニングや、物の使用方法を教えるための指導、新しい環境に慣れるための段階的なアプローチなどが考えられます。また、家族や教育者、専門家との協力も重要です。彼らが子供の個々のニーズを理解し、適切な支援を提供することで、子供たちがより良い外部環境とのやり取りを実現できるでしょう。

 環境から様々な情報を自分に取り入れて生きていますが、そのときに使う体の機能が「感覚」です。この「感覚」を使った環境とのやり取りを「センソリーコミュニケーション」といいます。
 センソリーは「感覚」、ここでいうコミュニケーションとは「人、物、場所などを含む環境とのやりとり」を指します。

センソリーコミュニケーションという考え方

 センソリーコミュニケーションは、環境とのやり取りにおいて様々な感覚を活用します。感覚は、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚などの五感に加えて、体の姿勢感覚や運動感覚なども含まれます。これらの感覚を使って、私たちは環境からの情報を受け取り、理解し、適切に対応します。
 そして、この感覚情報を使って、他者とやり取りをするプロセスがセンソリーコミュニケーションです。

 発達障害を持つ子供たちの中には、センソリーコミュニケーションに問題を抱える子供もいます。彼らは、環境からの情報を受け取る能力において、他の子供たちと比べて異なる特性を持っている可能性があります。

 例えば、一部の子供たちは感覚処理の困難を抱えており、環境からの刺激に対して過敏または低感度な反応を示すことがあります。これは、ある刺激に対して過剰に反応してしまうことや、逆に刺激をほとんど感じないことを指します。例えば、強い光や音に対して過剰に反応し、不快感や興奮を示す子供や、触覚刺激に対して鈍感であるために物を触れることに興味を持たない子供などが該当します。

 また、一部の子供たちは感覚統合の問題を抱えており、複数の感覚情報を効果的に処理し統合する能力に課題を抱えています。これは、異なる感覚情報が矛盾するように感じることや、適切な反応を選択することが難しいという状況を指します。例えば、視覚情報と聴覚情報が一致しない場合に混乱を起こす子供や、動作を制御することが難しくなる子供などが挙げられます。

 これらのセンソリーコミュニケーションの問題は、子供の日常生活に影響を与える可能性があります。学校や社会的な環境でのコミュニケーションや行動に支障をきたすことがあり、適切な支援や介入が必要です。センソリーコミュニケーションの問題を理解し、子供の個々のニーズに合わせた適切な支援を提供することが重要です。

 冒頭でお話した「やりとりがうまくいかないなぁ」「うまく遊べないなぁ」と感じるお子さん、もしかするとこの「センソリーコミュニケーション」に問題を抱えているお子さんなのかもしれません。

ゆー
ゆー

センソリーコミュニケーションは、感覚(知覚)やそれを認識する脳の部分を使ったやりとり(コミュニケーション)です。
環境と自分自身とのうちなるやり取りを知ることで、逆にそれをあそびに活かすことができます!

感覚を把握するための3つのポイント

 お子さんのセンソリーコミュニケーションをどのように把握したらよいでしょうか。それには3つのポイントがあります。

子どもが好きな遊びを見つける

 子どもの遊びに注目してみましょう。なにを好んで遊びますか?
それがわかったら、今度は遊びに含まれる感覚的な要素を紐解いていきます。

・トランポリンや大型遊具⇒ 固有受容感覚、前庭覚
・くるくるボールが回るおもちゃなど見て楽しむおもちゃ⇒ 視覚
・音が鳴るおもちゃ⇒ 聴覚
・あずき、砂など感触を楽しむおもちゃ⇒ 触覚
・布団に挟まる、ギュッと抱きしめられる⇒ 圧覚・固有受容覚

これらは大雑把に仕分けたカテゴリーです。遊びの解説でもしているように、おもちゃや遊具にはいくつかの要素が含まれますので、ご注意ください。

 子供の好みや興味を知ることは、彼らのセンソリーコミュニケーションに関する理解を深める上で重要です。子供が楽しんで取り組む遊びや活動を観察し、その中でどのような感覚を重視しているかを把握します。例えば、ある子供が静かな環境で本を読むことを好むのであれば、視覚や静かな環境を好む可能性が高いです。また、別の子供が活発に運動することを好むのであれば、運動感覚や触覚を好む可能性があります。

 反応が良い感覚を使うことによって、他者とのやり取りの窓口にすることができます。

ゆー
ゆー

これを把握することで、反応が良さそうな感覚を知る手掛かりにしていきます。

あそんでいる子どもの反応をみる

・無反応
・逃げる、不快な反応をしめす
・たのしそう、うれしそうなど良い反応をしめす

 子供が遊んでいる際にどのような反応を示すかを観察することも重要です。例えば、特定の刺激に対して過敏な反応を示す子供や、特定の刺激に対して鈍感な反応を示す子供などがいます。また、子供が興奮するかリラックスするか、またはストレスを感じるかどうかなども観察の対象となります。これらの反応は、子供がどのような感覚情報に敏感であるかを理解する手がかりとなります。

 子どもに与えた感覚刺激からどのような反応を示すかを知るということは、脳がどのように反応しているのかを知るということです。当然ながら、良い反応を示した場合は、お子さんとのやり取りに有効な感覚刺激だということができます。逆の場合は、もう一度違った感覚で遊んでみるか、下に書いたことを試してみる必要があります。

ゆー
ゆー

ここで、もうひとつのひみつのポイント
「感覚に強弱をつける」

 感覚に強弱をつけて子どもに与えて、その時の反応をみます。すると、脳が反応を示すために必要な適切な量がわかります。これは、センソリーコミュニケーションを活用するときに、とても重要な情報となります。
例)壁に衝突するくらい強い刺激で、やっと笑うという反応を見せるお子さん

一緒に遊んでいる人に注目できるかどうかをみる

 子供が他の人とのやり取りや関係をどのように築いているかを観察することも重要です。子供が他の人とのコミュニケーションや関係を築く際に、どのようなセンソリー要因が関与しているかを理解することができます。例えば、子供が他の子供と一緒に遊ぶ際に、どのような感覚的な相互作用が見られるかを観察します。また、大人との関係やコミュニケーションにおいても、子供がどのような感覚的なフィードバックを求めるかを理解することが重要です。

 センソリーコミュニケーションは、「ひと」「もの」「ばしょ」とのやり取り、相互関係を感覚を通じて行うことですから、刺激を与える人に注目しているかどうかも重要な観察ポイントになります。

・刺激を与えた人に注目できる  ⇒ やり取りに使える感覚刺激の可能性があり
・刺激を与えた人に注目できない ⇒ やり取りに使いない可能性が高い、再分析が必要

 このようにして、感覚に対する様々な反応を読み解くことで、「どのような感覚をつかうとやり取りが上手くいくか」がわかってきます。

ゆー
ゆー

やり取りを生み出すには、まず子どもの脳に認識させることが重要!!

そのツールのひとつとして好む感覚を使うということなのです。

もっと深めたい人へ、子どもからのレスポンスを観察しよう

 お子さんが好む(脳が反応する)感覚を用いて遊ぶと、今度はお子さんからレスポンスがかえってきます。

・感覚刺激を「期待して待つ」様子がみられるか
・子ども自ら手を差し出す、もう一回やってほしそうな反応がみられるか

 与える感覚に変化を持たせるテクニックを用いて、子供のセンソリーコミュニケーションに対する反応を観察することは、彼らの感覚処理やコミュニケーション能力を理解する上で有益です。

 以下に、例としてトランポリンを使用した場合のテクニックとその効果について説明します。

例えば、トランポリンを利用して子供のセンソリーコミュニケーションを評価する場合、次のようなアプローチが考えられます。

・連続して強い刺激を与える
 トランポリンで子供が楽しそうに跳ぶ際に、連続して強い刺激を与えます。この時、子供は楽しそうな反応を示すでしょう。

・刺激を停止するか、弱い刺激に切り替える
 次に、刺激を一時的に停止するか、トランポリンの動きを弱くするなどして刺激の強度を下げます。すると、子供は自分からもう一度トランポリンで遊びたいという意志を示すかもしれません。この時、子供がセラピストや大人に近づき、もう一度トランポリンで遊びたいという要求を示す可能性があります。

・別の感覚刺激を導入する
 例えば、トランポリンを利用する前に、聴覚を刺激するカウントダウンを行います。3、2、1と数を数えるなど、耳からの刺激を用いて子供にトランポリンでの体験を予測させます。すると、子供はカウントダウンを聞くことでトランポリンでの体験を期待し、楽しみに待つ様子を示すかもしれません。期待して待てるということは、カウントダウンを聞いているという、つまり人に注目ができているとも解釈できます。
 このように、異なる感覚刺激を組み合わせることで、子供のセンソリーコミュニケーションに対する反応を観察し、彼らの感覚処理やコミュニケーション能力を評価することが可能です。

感覚統合とは、人と外部環境の相互関係である

 発達障害や小児リハビリの世界では「感覚統合」という言葉をよく耳にします。この感覚統合というのは、ただ感覚を入れたり、感覚をつかって遊べばよいわけではありません。

・子どもが外部環境(ひと、物、場所)とお互いに関係性を作り出せること
・お互いに関係性を作り出すことで、成長に必要な情報が適切に入ってくる
・脳の様々な場所が活性化することで、子どもの世界を広げることができる

 感覚はこれを導くためのツールのひとつにすぎないと私は思います。
たとえを出して解説してみましょう。

 トランポリンやジャングルジムなど体をダイナミックに動かす遊びが好きなお子さんがいたとします。この遊びは固有受容感覚がつよく入るあそびです。子どもは、固有受容覚を求める傾向にあるということですね。(固有受容覚は体の動きを感じる、筋肉の動きを感じる感覚です)
 もっと、わかりやすく言えば固有受容覚を使うと「情報を脳が受け取りやすくなる」ということです。

 ですからトランポリン以外のあそびにも、この固有受容覚がはいるような工夫をしてみます。
 例えば、くるくるチャイムの入り口をガムテープで囲って、玉を入れるときの手ごたえを強くします。すると、その感覚情報を脳が読み取って、手元への注目を集めさせます。

 生活動作のなかで手元へ注目させたいときにも、これを応用することができますね。もしかすると、これをきっかけに手先の発達を伸ばすことができるかもしれません。体全体という世界から、さらに細やかな手先の操作へと世界を広げたと言えます。

ゆー
ゆー

脳が反応する感覚を使う

環境から脳に適切な情報がはいる

良い経験、体験ができる

より脳が活性化する

さらに良い経験、体験ができる

このような良循環を生み出すことができます。

まとめ

 センソリーコミュニケーションを理解するためには、子供の好みや反応を観察することが重要です。与える感覚刺激を変化させることで、子供がどのような感覚を好み、どのように反応するかを見極めることができます。
 このような観察を通じて、子供のセンソリーコミュニケーションに関する洞察を深め、彼らの発達や学習に適した支援を提供することができます。このブログが発達障害のお子さんを持つ両親や支援者のお役に立てれば幸いです。
お読みいただきまして、ありがとうございました。

引用文献
・小松則登 他:センソリーコミュニケーションと自閉症:OTジャーナル35.721-723,2001

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