こどものころ、あなたはどんなあそびをしましたか?
ゴム飛び? おにごっこ? ケンケンパ? ぐりこ?
どれも、外で遊ぶものばかり。
ところが、現代の子どもたちにとってこういった遊びの環境が変化してきているのです。
どうしてうちの子、運動ができないんだろう…
もしかすると、「経験不足と運動不足」これが原因かも。
私の経験とスポーツ庁の調査から紐解いていきます。
ケンケンパを知らない子どもたち
これは実話です。
わたしの外来リハビリを受けに来たお子さんの話。
トランポリンを飛ぶとき、どうもジャンプする姿勢がおかしい。飛ぶときに、足首で地面を押す動きがどうもうまく出ていない。
そこで動きを観察するために、ケンケンパをしてもらおうと子どもに提案しました。
ケンケンパしてみようか。
ケンケンパってなに?
そう、ケンケンパをしたことが無かったんです。これには、わたしもビックリ!
でも、そういうこと。
わたしたちが子どもの頃に経験してきた遊びを、経験してない子どもがいる
経験不足からくる「運動の苦手さ」ということが明らかになりました。
スポーツ庁調べ「体力テストの結果と外遊びの関係性」
スポーツ庁の調べでは、こんなデータがあります。
体力テストの結果が上位層と下位層で外遊びの時間を調べました。
(スポーツ庁.平成28年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書.2016をもとに作成)
上位層はおよそ80%が週3回以上、外で遊んでいたのに対し、下位層の子どもたちは週に3回以上外遊びをする割合は、54%でした。
(スポーツ庁.平成28年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書.2016をもとに作成)
逆に、月に1から3日、あるいは外遊びをしない割合は、上位層は6.2%だったのに対し、下位層では17.5%という結果でした。
外遊びを推奨! でも、家あそびでも運動できます。
外で遊ぶ。もちろん、これを推奨しますが、なかなか外に出るのがおっくうな現代っ子もいるはず。
だからこそ、お家でも遊びながら運動できるおもちゃが重宝します。
最近、わが家でも購入の室内トランポリンクッション
音も静かで、はね具合もGOOD!
ただし、大きさがややネック。うまく中心でとばないと、クッションから外れてしまう…
逆に言えば、中心で飛び続けるってことは「体幹の軸を効果的につくる」ってこと。
このシェイポリンは、家の中でトランポリン運動ができるクッションです。
子どもが家のソファーでピョンピョンはねて困っちゃう。そんな時もこのクッションを使ってみてください!
親子で「一緒に遊ぶ!」これが、もっとも簡単に解決できる方法ですよ!
運動不足は大人になってからも影響する「ロコモティブシンドローム」
知ってますか?
ロコモティブシンドローム=運動器症候群といわれる状態です。ロコモって省略されて言われたりします。
どういう症状が出るの?
人間が立つ・歩くといった移動する力の低下を招きます。さらに、筋肉や体を支える骨や関節、筋肉を動かす為の神経など、「運動に必要な機能」の低下を招きます。
機能が低下する病気は色々ありますが代表例でいうと、身体を支える骨がよわる骨粗しょう症、関節が変形して動かしにくくなる変形性関節症があります。
高齢に多いが、現代では子どもも注意が必要
高齢になると抱えやすい運動器の障害ですが、なにも高齢者だけの話ではないのが近年の動向です。
というのも、実は子供のころの運動習慣が、ロコモを招く可能性があるということが論文で報告されているからです。
ひとつは、運動のやりすぎ(運動過多)のお子さん。これは、子供の関節や骨、筋肉などは未発達でありますから、過度な運動や誤った運動方法によって、スポーツ障害を引き起こす可能性があると言われています。
このスポーツ障害による痛みや運動器自体の機能障害が残ると、将来大人になった時、あるいは高齢者になったときにロコモという状態を招く可能性があるということです。
そして、もうひとつの要因が「運動不足」による運動機能の低下なのです。
まとめ
子どもの運動不足や経験不足は、わたし自身がリハビリの現場で、そして家庭でも感じていることです。体力の低下は、大人になった時にも影響を及ぼすことがあるという事実も心得ておく必要がありますね。
引用文献
・日本整形外科学会 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト
・スポーツ庁.平成28年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書.2016
・帖佐悦男:小児のロコモティブシンドローム-なぜ今、子どもの頃からのロコモ予防が必要か?.journal of clinical rehabilitation vol.29 No.6 .pp528-533.2020
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