まずはここから!小児リハを学ぶリハビリ専門解説!

「字が上手く書けない」もしかすると目の動きが問題?見る力をそだてるビジョントレーニング

まずはここから!小児リハを学ぶ
ビジョントレーニング

あなたは、目が良いですか?
私は超がつくほどの近眼で、メガネが生活必需品。最近はパソコンに向かうことも多くなり、疲れてくると目の動きも悪くなって画面が見にくくなってくることもしばしばです。

 発達障害と診断されているお子さんのなかには、この目の動き、見る力を苦手とするお子さんがいます。最近では、発達障害の検査や診断をしてくださる眼科の先生もいて、小児リハビリを行うセラピストとしては大変ありがたい存在です。

 今回は、そんな目の動き、見る力とそれをトレーニングするビジョントレーニングについて解説していきたいと思います。

この記事はこんな方におススメ!
✧٩(ˊωˋ*)و✧

・ビジョントレーニングや効果についてしりたい
・子どもの書字や図形の苦手さが気になる
・目の動きを促すような遊び、おもちゃをしりたい

見る力の種類

 見る力には、視力の他にも目の位置、目の動き、色の認識など様々あります。

視力

物体がどのくらいはっきりと見えるかを数値化したもので、近視、遠視、乱視といったものがあります。

近視

網膜という映像をとらえる部分の手前で焦点があってしまう状態です。

遠くがぼやけます。

遠視

網膜より後ろで焦点を結んでいる状態です。

目の調節機能を使って見やすくするために目が疲れやすくなります。

乱視

目のレンズの形がゆがむことで、焦点が一か所で集まらなくなった状態です。

ぼやけたり、二重に見えたりします。

ゆー
ゆー

ほかにも、心理的な要因によって視力低下や視野障害を認める「心因性視覚障害」というものがあります。

輻輳(ふくそう)・開散

輻輳(ふくそう)

より目。遠くから近くを見るときに、左目が右側に、右目は左側に動きます。

開散

より目とは逆に、近くから遠くを見るときに、左目は左に、右目は右に動きます。

 二重に見える・目が疲れる・見る作業で頭痛・片目をつぶって見る・斜めにしてみる・遠近感が苦手・球技が苦手といった症状がみられます。

視知覚

光の強弱、色、長い短い、大小、傾き、角度、運動の方向や形の弁別のような要素的な情報をとりこむ能力です。

 数字・かな文字・漢字の習得に時間がかかる、図形が苦手、鏡文字がある・写し絵が苦手・書いた文字のバランスが悪いなどの症状があります。

視覚認知機能

目で見た情報や視知覚によって得られた情報をもとに、形態や物体の一部から全体像をつかんだり、持っている知識をもとに物体を把握する能力を意味します。
 たとえば、石に3つの点があると顔に見えたり、一部が欠けた絵からどんな絵なのかを読み取るといった情報処理を言います。

 図形的なものを見るとき部分のみを見てしまい全体をうまく把握できないといった症状があります。

視覚性記憶機能

目で見たものをその場で記憶する、長期的に記憶する記憶の機能を意味します。

 忘れ物が多い、文字や漢字のほか見たものを思い出すのに時間がかかる、できないなどの症状があります。

眼球運動(衝動性眼球運動、追従性眼球運動)

衝動性眼球運動

 右左の対象物を交互に見ることで検査します。ようするに、視線を右と左にちらっ、ちらっと瞬時に変えていく動きです。
 今見ているものから、瞬時に別のものに視点を変える眼球運動です。

追従性眼球運動

 立った状態で対象物を上半周もしくは全周に移動させ、それを目で追わせることで検査します。
 つまり、目でものを追い続ける動きです。じーっと物を見続けることも、これに含まれます。

板書が苦手・勝手読み・読み飛ばし・読みが遅い・探し物ができない・指さしたものが見つけられない・定規の目盛が苦手・マスをたどる作業が苦手などが症状として見られます。

見る力を育む ビジョントレーニング

 これら見る力のなかで、眼球運動については次のような報告があります。

軽度の衝動性・追従性眼球運動障害は、ビジョントレーニングで早期の改善が見られる

 軽度の眼球運動障害では、改善する可能性があることが示唆されています。
ビジョントレーニングとは、どんなものでしょうか?

ビジョントレーニングの一例

 物を見る、数字を目で追う、線を引く、線をなぞるといった活動を通じて、目の動きをトレーニングします。ほかにも様々な方法がありますが、私が簡単に作成したものを一例としてご紹介します。

追従性眼球運動
ビジョントレーニング①
ビジョントレーニング②
ビジョントレーニング③
ビジョントレーニング④

ビジョントレーニングに関する書籍

 ビジョントレーニングをもっとやってみたいという方は、問題集がついた書籍もたくさん出されていますので、購入してやってみるのも良いかもしれませんね。

 とても分かりやすく視覚の問題についてや、ビジョントレーニングについて学ぶことができます。
 また、ワークシートもついているので、すぐにトレーニングをすることができます。

ちなみに、わたしも実際のリハビリ現場で使うこともあります。

 日めくりで毎日取り組めるビジョントレーニングです。
 これなら、毎日気軽にトレーニングを続けられそうですね。

ビジョントレーニングの効果

 このビジョントレーニングを行ったことで、書字が改善したという報告があります。

書字能力の向上し、バランスよく書けるようになった。漢字が書けるようになったことで、漢字への興味を持ち、積極的に書こうとする様子が見られた。
日常生活では書字の面で字形や文字列の配置が改善するといった変容が見られた。

 一方でこんな文献もあります。女子バレーボールの選手に対してビジョントレーニングを行った場合のパフォーマンスについての報告です。

動体視力については改善が見られた。スパイク決定率、ブロック、サーブレシーブ返球率などは大きな変化がなかった。

 選手としてはビジョントレーニングが必要と感じているようですが、実際の試合でのパフォーマンスは変化がなかったということです。
 この結果については、見る力をそだてるだけでなく、目から得た情報を頭の中でどのように処理するのかといったことや、得られた情報に対して即座に反応する運動能力がスポーツには必要であると推測されます。

ゆー
ゆー

スポーツは、身体機能や身体操作、技能の影響も大きいので、実際の場面では結果が出にくかった可能性も考えられます。

目の動きは、原因の一つにすぎない

 さきに述べたバレーの例でもありますように、目の動き(眼球運動)だけではなく、体を使うことや目から取り込んだ情報をどのように脳で処理するのかといったことも、子どもたちの行動や障害を考えるうえで重要になってきます。
 読み書き障害についての文献でも、同様のことが言われています。

眼球運動機能の異常は発達性読み書き障害や読み困難の原因になる 

読み書き障害を引き起こす原因は視機能の問題ではなく、高次の視覚情報処理障害である
*高次=人間らしい部分となる複雑な情報処理

 このように目の動きが読み書きに影響をしているかについては、複数の文献によって意見が分かれています。

 これらの文献や発達の過程から考えると眼球運動に関しては、お子さんのできない事を考えるための一つの原因に過ぎないと考えられます。
 つまり、眼球運動のみだけでは問題の解決に至らない場合もあり、視覚から得られた情報を処理する脳の機能、体の使い方や認識をきちんと把握する必要があると考えられます。

合わせて読みたい
情報を処理する脳の機能について
記憶とワーキングメモリのきほん
「注意」という脳の働き(注意機能について)

体の使い方や認識について
始まりは胎児から。手と目の協調性の発達

目の動きとあそび

 目の動きや視覚だけでなく、手の運動や頭で情報を処理する様々な要素が遊びには含まれる「あそび」で目の動きを促していくことが良いと考えられます。

衝動性眼球運動を養う遊び

今見ている物から別の物に視点をジャンプさせるようなあそびが適しています。

もぐらたたき

ゲームロボットAI

ゆー
ゆー

そのほかにも、違い探し、シール張り、トランプなどのカードゲームも適しています。

追従性眼球運動を養う遊び

対象物を目で追い続けるようなおもちゃが適しています。

魚釣りゲーム

くみくみスロープ

迷路ボール

ゆー
ゆー

ほかにも、迷路、おえかきなどが適しています。

おまけのオールインワンおもちゃ

モンテッソーリ 知育玩具 おもちゃ パズル ブロック 積み木 釣り おもちゃ 人気 6in1

眼球運動だけでなく、空間認知・手と目の協調動作など、色々な能力を養うおもちゃです。

パズル、ブロック、釣り、つみきなど多機能にいろいろ遊べてお得感がありますね。

合わせて読みたい 体をいっぱい使うあそびはこちら
自由自在なアスレチック「サーキット遊び」と子どもの特徴に合わせた工夫 6選

まとめ

 私たちは、目からたくさんの情報をとりこんで生活しています。視覚や目の動きをポイントに解説してきましたが、やはり視覚だけでなく視覚情報を処理する脳の働きや体の使い方も重要であるといえます。子どもたちが楽しく遊べるおもちゃには、目の動きを練習するようなものもあります。
 
 最後に視覚の問題について、様々な原因がありますので、お子さんの目が気になる方はきちんとした眼科などの医療機関を受診しましょう。

引用文献
・松久 充子:見る力に発達障害のある児童の支援について. 静岡県医師会 第5分科会 9 pp38-42
・吉田 正 他:スポーツビジョントレーニングの事例研究(2) ―大学女子バレーボール選手におけるビジョントレーニングの効果について―愛知教育大学体育教室研究紀要
愛知教育大学体育教室研究紀要 (24), 17-25, 2000-03-10
・佐藤,忠全:知的障害のある生徒に対するビジョントレーニングの効果 : 中学部における自立活動の実践から. 弘前大学教育学部附属特別支援学校.81-84.2014
・Stein J : Visual motion sensitivity and reading . Neuropsychologia 41.1785-1793.2003
・奥村智人他: Reading disorder児における衝動性眼球運動の検討.脳と発達38.347-352.2006
・Evans BJ , et al : Investigation of accommodative and binocular function in dyslexia. Ophthalmic Physiol Opt 14(1).5-19.1994a
・馬渡志郎 他:視覚失認を呈した一症例-視覚失認「知覚型」における神経心理学的考察;特に「線」認知困難について.精神神経誌73.801-808.1971
・北山勝也;第一部 視覚機能の発達とトレーニング.「見る」ことは「理解」すること 子どもの視覚機能の発達とトレーニング(本多和子,他著).山洋社.5-18.2003

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