四男が野球を始めたことで、練習相手になろうと思って自分のグローブを購入しました。ついでに、三男の分も購入し、みんなでキャッチボールをしようと思っています。
とくに、三男は面と向かって言葉でしゃべるのが苦手です。キャッチボールという活動をあいだにはさむことで、会話がしやすくなるかな?という思惑もあります。
運動を通じたコミュニケーション どうも、ゆーです。
絵にかいたような父親と子ども像ですが、わたし自身ボール投げは大の苦手です。うまくできるでしょうか。
さて、「子どもが言うことを聞かない…」「やりたいほうだいになってしまっている」こんな悩みはありませんか?
子どもの主体性を重んじるばかり、無制限に子どものやりたいようになってしまっている。じつはこれ、子どもがルールや制限とむきあう貴重な機会を奪っているかもしれません。
今回は、制限を設けることの意味や効果と上手にルールを伝えるコツを解説していきます。
制限を設けることがら
次にあげることがらには、必要に応じて制限を設ける必要があります。
・たたく、なぐる等の攻撃をする場合
・子どもの安全と健康がおびやかされそうなとき(汚れた水を飲む、高いところに上る、道路での飛び出し等)
・時間
・場所
制限を設けることの効果
制限を設けることで、子どもに様々な良い影響をもたらします。
・自分や他者の命と安全を守る
道路に飛び出しちゃダメ! 高いところに登っちゃダメ! それ食べちゃダメ! あれしちゃダメ、これしちゃダメいろいろな制限を子供にかけると思いますが、その多くは子どもの命を守るため。
また、他者をきずつけないためにも制限は必要です。
自分の行動を振り返り、自分の行動に責任を持つことを学ぶ
自分の行動や言動には責任が伴います。制限を設けることで、その責任から逃れずに、子ども自身がそれに向き合うことをうながします。
ルールを守れなかったとき、あるいは「本当はやりたいのに、でもルールだから守らなきゃ」このような心の葛藤も大切です。このとき自分自身の気持ちや行動を理解し、コントロールすることを学ぶわけです。
社会で必要なことを学び、基本的な信頼関係を築く
ルールを守ることって、社会で必要です。これを学ぶためには、まず家庭内でのルールを守るというところで練習する。たとえルールが守れず失敗しても、家庭内ですからおおきな問題はないはずです。むしろ子どもにとってはプラスです。また、無制限に欲求のままに行動していると、子ども自身も自分がどこまでいってしまうのか、止まるところがわからず、逆に不安感を抱くことがあります。ですが、社会一般的なルール、制限を一貫して示すことで、安心感・信頼感を得ることができます。
さらに深読み!制限によって、感情・欲求・衝動の解放を促す
支援の場にとっては、制限が治療的な意味を持つことがあります。
・制限によって、感情・欲求・衝動の解放を促す
たとえば、人をたたきたい、なぐりたい、さらにエスカレートして命をおびやかしたいという欲求があるとします。ですが、これら欲求は当然実行してはいけませんから、きちんと制限を設けます。
一方で、これが許される場面があります。それは、「あそび」の中です。人形遊びやごっこ遊び(直接的な行動は、もちろん✖です)、お絵描き等の「遊び」というツールを使って間接的に欲求を開放させます。これであれば、自他ともに害がなく、人からも容認される形で自分の欲求を解放でき、心の浄化(カタルシス)を促すことができるわけです。
そして、子どもは遊びを通じて自分の気持ちを客観的にみることができるようになります。
支援者は、子どもが遊ぶから暴力的な行動・欲求を生み出している、心の背景をみることができます。暴力を受け入れるのではなく、その原因となっている心をうけとめるのです。
・人をたたく、なぐるの直接的な行動×
・遊びの中では、たたく・なぐるという欲求を表現することを容認○(あくまでも人形遊び、お絵描き等の遊びです)
制限を設けることで、ダメな事と容認されることのコントラストがはっきりしてわかりやすくなる。また、遊びから心の背景をみることができる。
制限という明確な道しるべがあることで、「あそび」で開放するという方向に導いているわけです。
ルールを伝えるコツ「気持ちを理解」「一貫して」「明確に」
上手にルールを伝えるためのポイントは4つ。
子どもの気持ちを理解する
親にとって望ましくない行動をとった時の子どもの感情を理解してあげましょう。
そして、それを大人が言葉にして伝えてあげてください。
一貫した態度で示す
その日の気分によって伝える側の態度がちがうと、子どもは混乱します。
また、軽いノリのような感じで伝えたとしましょう。
ちょっと~、それダメだよう((笑))
子どもからしたら楽しんでいるのか、制限をかけられているのかわかりません。あるいは、子どもにとっては遊びの一部ととらえてしまうかもしれません。
親にとって望ましくない行動をしてしまうと、つい感情的になってしまうこともあります。ですが、ここは辛抱強くグッと気持ちをこらえて伝えます。大きな声を出す必要はありません。
なにか制限を設けたいときは、子どもの注意をしっかりとひきつけ、子どもの気持ちを受容したうえで、いつも同じ態度で伝えましょう。夫婦でも統一しておきましょう。
決まりは明確に!あいまいなルールはさける。
ルールは基本的にあまり変えないようにしましょう。その日の気分によって、この前はダメだったけど、今日は許可するといったことは、子どもの混乱を招きます。
また、「あと一回だけ」、「もう5分だけ」などよくある光景です。これでは、ルールがあいまいになってしまいます。時間のルールを決めたなら、延長せずに守ります。
あと一回だけねって言っても、子どもはもっとやりますから…(笑)
子どもではなく物を主語にする
「○○ちゃん、△△しちゃだめよ!」ではなく、「鉛筆は投げるものではないよ」「壁は絵を描くところではないよ」と物を主語にする伝え方もあります。
物を主語にすることで、伝えたときの子どもの受け取り方が変わってきます。
おまけのワンポイント
制限を設けた場合、これだったら許される代わりのものを用意しましょう。
例えば、
人を直接殴る ✖
パンチバックを殴る ○
まとめ
自由が行き過ぎると、子ども自身歯止めが利かなくなってしまいます。子ども自身、もしかすると止めてほしいと願っているかもしれません。
きちんとした制限を設けることは、子どもを支配するのではなく、子どもの安全を守ると同時に社会に出たときに役立つ心をそだてるのです。
お読みくださってありがとうございました。
引用文献
・森岡正芳:天理大学学報
https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/repository/metadata/1683/GKH015705.pdf(2021.11月アクセス)
コメント
[…] 4男がけがをしました。そんな大きなけがではありませんが、やはり心配なものです。 全てのけがを防げるわけではありませんが、予測することはできます。危ないことはルールを設けることで事前に防ぐこともできます。子どもを守るために、ルールは必ず必要です! それぞれの場所で、これらはきちんと取り組んでもらいたいと思います。 […]
コメントありがとうございます。また、お怪我をされたお子さんの経過は大丈夫でしょうか?どうぞお大事になさってください。
ルールの目的は「子どもの命をまもる」これが第一です。
投稿された方のおっしゃる通り、危険を予測することは可能です。
私が働く病院では定期的に危険予測のトレーニングと自部署(私の場合小児リハをするスペース)の危険予測をして、問題があれば直ちに対処します。
それでも防ぎきれない軽微なケガが発生した場合は当然ながら書類と口頭で上長に報告し直ちに改めるシステムがあります。
危険を予測し、さらにそれを改善するためのシステムがあるかどうかで、子ども安全は大きく変わってくるのではないかと思います。
大変貴重なご意見をいただきまして、まことにありがとうございました!!