みなさん、YOUTUBEのチャンネルはご覧いただいてますでしょうか?
わたしは顔を出してお話するのがはずかしいため、アバター(3DCGで描画されたキャラクター)を使っています。このアバターですが、私の顔の表情をカメラで読み取って口の動きや表情を再現してくれます。
こうしたアバターを使って動画やライブを行う方々を、バーチャルユーチューバーというそうです。
ですから、わたしは私自身を「バーチャル療法士」と命名します。
どうも、バーチャル療法士のゆーです。
新しい時代はどんどん進んでいます。子どもたちは、その中を歩んでいくのですよ。
さて、今回はゲームやバーチャル空間についてのメリット・デメリットを解説していきたいと思います。なぜこのような記事を書きたいかと思ったのか?
とある有名な子育て教本を読んだとき、次のように書いてありました。
『ゲームは人生のムダ』
わたしはゲーマーですから、とても悲しい気持ちになりました。ちょっと、一方的な視点だけでゲームを論ずるのはどうなんでしょうか?
むかしのゲームと今のゲームとは全く違いますよ!!
ということで、現代のゲーム環境におけるメリット・デメリットを私なりに解釈してまとめたいと思います。さらに、ゲームを子どもたちがするうえで、注意すべきポイントを挙げました。
いまのゲームはオンラインがあたりまえ
ゲームを語るうえで、昔と今のゲームの違いを知っておく必要があります。
むかしは、友達の家に集まってゲームをするのが当たり前でした。しかしインターネットが普及した現代は、自分の家にいながら友人たちとゲームをするオンラインが当たりまえです。
さらには、遠くに離れた場所にいる「全く知らないだれか」と一緒に遊ぶことができます。いまや顔見知りの友達同士でやるだけではないのです。
ゲームのメリット 3選
多様な人とのかかわりが持てる
今のゲームはオンラインで世界とつながっています。そこには、日本だけでなく様々な国籍の人たちがいます。ゲームの世界では、性別も、年齢も関係ありません。見た目は女性キャラクターでもプレイしているのは男性という場合も多々あります。
時代は性別、年齢、国籍などにとらわれずに、多様な人々とかかわりを持ち、理解しあえる世界を作ろうとしています。
そういった多様な人を認める、価値観を理解するきっかけを、ゲームはつくってくれるのではないでしょうか。
ちなみに、我が家でも子どもたちがゲームをしているときに英語でしゃべる方と一緒にプレイすることがありました。その時、子どもたちはなんと小学校でならった英語を使って話しかけたのです。もちろん、難しい会話はできませんから、あいさつ程度でしたけれども。
素性がわからない、顔もわからない。だからこそ、お試しで英語を使ってみるという気持ちになれたようです。
楽しくまなぶことができる
オンライン授業やタブレット学習が進んでいます。タブレットのなかには、学習教材が入っていますが、ゲーム性を持つ教材もいくつかありますよね。
たとえば、キーボードのタイピングゲームなんかは、ゲームを楽しみながら、タイピング技術やローマ字の学習をすることができます。
ゲームをひとつのツールとして、学習や生活面に活用できることは大きなメリットであると言えます。
さらにいくつかの論文では、テトリスのようなゲームをすることで脳が活性化するという研究もあります。
ゲームを通じて自己表現、社会性を学ぶ
とあるゲームに関する論文が話題となりました。
「マインクラフト」が自閉症の子供たちに社会性を学ぶ場となりうるという研究です。
「マインクラフト」とは、ブロックを基本とした様々なアイテムをつかって、建築したりや畑を耕して生活したり、はたまたモンスターと戦って冒険したりと、かなり自由度の高いゲームです。説明よりも動画で見たほうが早いので、プレイ動画をどうぞ。
自閉症のお子さんたちは、相手を意識したり、コミュニケーションの質的な問題を抱えています。ですが、マインクラフトではそういったことを気にすることなく、自分らしくいられる空間なのです。
さらに、マインクラフトは「モノを作る(クラフト)」に特化しています、建物やなにかを作るという行動が、他者に対する自己表現の一つとなっているのです。
また、こういったお子さんが集まって遊べる専用の部屋があり、そこでひとつのコミュニティができています。コミュニティに参加することを通じて、より積極的に社会とかかわる第一歩になるのではないかと期待されています。
教育現場においても、マインクラフトというゲームは授業で採用されています。友達同士で協力して生活をする、協力してミッションをクリアすることを通じて、社会性を学ぶきっかけを作っています。
あくまで、きっかけ作りではありますが、ゲームの可能性を感じさせる研究です。
ゲームのデメリット 3選
ゲームの依存は病気
2019年5月、世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」を新たな国際疾病分類として認定しま
した。ようするに、病気として認めたということです。
ゲーム障害(Gaming disorder)とは
・ゲームの時間をコントロールできない
・日常生活やほかの日常の関心ごとよりゲームを優先してしまう
・健康に害がでてもゲームをやめることができない
・家庭、仕事、学業などに大きな支障が出ている
これらの状態が、一年以上続いている場合に診断されます。
(状態がひどい時は、一年未満でも診断がつくこともあります)
生活リズムが乱れる
ゲーム障害とも関連してきますが、ゲームにのめりこみすぎると生活習慣や生活リズムが乱れます。十分な食事をとらないでゲームに没頭すると健康によくないことは容易に想像できます。睡眠時間が少なくなってしまうと、仕事や学業に影響がでるばかりか、睡眠不足によるイライラによって精神面にも悪い影響を与えるでしょう。
インターネットを使った犯罪に巻き込まれる可能性
今やゲームは友達同士だけではありません。世界中の人とつながっていますし、ゲームの中でチャットや通話をすることも可能です。ですから、顔が見えないことによる誹謗や中傷をうけ、トラブルに発展することもあるでしょう。また、詐欺の被害や実際に会ってみようといったことによって犯罪に巻き込まれる可能性も考えられます。
ただし犯罪については、ゲームに限ったことではありません。
ネットの使い方の問題でもあるので、子どもたちにネットの危険性をきちんと教える必要があります。
ゲームをするうえで気を付けたいことは、生活リズムと人間関係
上記したように、WHOは「ゲーム障害」として認定しました。これらを未然に防ぐために気を付けたいことが2つあります。
生活リズムを整えましょう
何事にもゲームを優先させてしまう状態になると、生活に必要なことまで後回しになってしまいます。まずは、生活を中心において、その次にゲームという優先順位を明確にしてあげましょう。
食事、お風呂、睡眠といった行動は場面が切り替わるので、メリハリをつけやすい日常生活です。最低限、この時間を守るという明快なルールを設けるのも手です。
ゲームを時間で区切るというのも方法にありますが、親からの一方的な指示になってしまう場合もあるため、子どもが納得できるように一緒に時間のルールを決めるようにしましょう。
子ども自身がゲームというものに向き合って、自分で考えて行動できるようルールを設けるとよいでしょう。
人間関係や現実の世界を充実させましょう
いくらなりたい自分になることができるオンラインとはいえ、やはり現実世界に生きている私たちです。現実世界では嫌な事、つらいことがあるのも事実です。
これを誰かに言えない状況、つまり「孤独」が強くなった時に、オンラインに助けを求めるかもしれません。
ですから、子どもたちが「つらい」「いやだ」をきちんと話せる、そしてそれを受け入れる場所を確保することが重要です。それは、親である必要はありません。カウンセリングの先生やそういった悩みを言える友人、あるいはサークルでもよいでしょう。人間関係の充実が、現実世界も充実させます。
親としては、
「現実」で出来たことをポジティブに受け取る声掛け
「不安」「つらさ」を受け止める姿勢
これが重要になってきます。
個人で解決に至らない場合は、精神科などの病院を受診して、適切な治療をうけましょう。
バーチャル世界を生きる子どもたち
今の子供たちは、わたしたちが思っている以上にバーチャルな空間に生きています。オンラインゲーム、スマホ、オンライン授業(VRで修学旅行なんていう取り組みもありました…。)など、オンラインを利用した生活は、もはや語る必要がないほど普及しました。いまの子どもたちが大人になるときには、仮想空間における生活はもっと変化しているでしょう。
フェイスブックというSNSを作った人物、マーク・ザッカーバーグCEOはFacebookの新社名が「Meta」になるとイベントで発表しました。
これにより、メタバース=仮想空間での動きがよりいっそう加速していく可能性があります。
そのためにも、大人たちは「むずかしいから」「わからないから」「興味がないから」ではなく、子どもたちのために、ゲームやインターネット・バーチャル空間におけるメリット・デメリットを知っておく必要があると感じます。
お読みくださって、ありがとうございました。
引用文献
・樋口 進:病気認定されたゲーム障害の現状と今後
http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201910_02.pdf(2021.11月アクセス)
・Kathryn E. Ringland et al: “Will I always be not social?”: Re-Conceptualizing Sociality in the Context of a Minecraft Community for Autism.2016
https://dl.acm.org/doi/abs/10.1145/2858036.2858038(2021.11月アクセス)
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