コラム:あなたの子育てをアップデート

癇癪の原因は栄養?ショ糖過剰摂取でイライラ増加、血糖値の変動が鍵

コラム:あなたの子育てをアップデート

私たちは多くのストレスを抱えて生活しています。

子どもたちも、大人と同じようにストレスを感じ、それを様々な方法で対処しています。

子どもたちはどんなことにストレスを感じるのでしょうか?

例えば、、、、

・友達とのケンカ
・友達から命令される
・先生にしかられる
・仲間外れなどの友人関係

これらストレスに対して、耐えられない状態になると「癇癪」を起こしたり、様々な行動をみせるのです。じつは、このイライラや癇癪、糖分と深い関係があることが指摘されています。

このストレスに対して、耐性をつけるにはどのようにしたらよいのでしょうか?

今回は、食事の面から紐解いてみたいと思います。

糖分とストレスは関係があるのですか?

血糖値が急上昇や急降下することは、イライラや不安感を引き起こすことがあります。

 ショ糖の過剰摂取がストレス耐性を低下させることが明らかになっています。

 清涼飲料水やお菓子をたくさん食べると、ショ糖を一時的に大量に摂取することになります。このショ糖を摂取すると、血糖値が摂取前の約2倍に急上昇し、2時間後には摂取前の半分以下に急落することがわかっています。

 このように、ショ糖は一時的に血糖値を高めますが、その後急激に低下させるため、低血糖状態を引き起こします。低血糖状態になると、集中力が低下し、めまいを感じたり、怒りっぽくなることが報告されています。

 つまり、清涼飲料水やお菓子に含まれるショ糖を多く摂取すると、比較的短時間で低血糖状態が生じ、イライラしやすくなります。その結果、ストレスがかかる場面で泣いたり怒ったり、いわゆる「癇癪」を起こしやすくなるのです。

一方で、ご飯やパンなどの炭水化物では、血糖値が摂取後に約30%ほど血糖を高め、その後徐々に低下していき、2時間後には摂取前と同程度にもどりました。

幼児を対象とした研究はどのようなものがありますか?

幼児を対象とした研究においても、食事とストレス反応について、以下のような結果が出ています。

食べ物の種類起きやすい起きにくい
野菜・海藻類問題解決的な行動行動的回避(ものに当たる、怒る)
情動的回避(泣く)
清涼飲料水・菓子類行動的回避(ものに当たる、怒る)
情動的回避(泣く)
問題解決的な行動
塩辛い食品行動的回避(ものに当たる、怒る)
情動的回避(泣く)
問題解決的な行動

このように摂取する食品の種類によって、ストレスの対処行動に影響を及ぼしていることが示唆されました。

また、食事の摂取状況によってもストレス対処行動に変化があったようです。

家族そろって食事をたべるメリット

 家族そろって食事を食べる家庭の子どもは、問題解決的な行動をとることが多く、逆に行動的回避(ものにあたる、怒る)や情動的回避(泣く)は少ない傾向にありました。

 家族でそろってご飯を食べることによって、家族関係が楽しい、あるいはリラックスできる環境であることが考えられます。

 また、子どものそばに大人がいるということは、ストレスを軽減するソーシャルサポートの役割をはたしているとも考えられています。

ストレス耐性を高めるためには、どのような栄養素を摂取したらよいのでしょうか?

栄養素とストレス耐性はどんな関係がありますか?

食事から得られる栄養素は、身体の機能を支えるだけでなく、ストレスに対する耐性を強化する上でも重要です。

ビタミンとミネラル

ビタミンB群

  これらのビタミンはエネルギー代謝に関与し、神経系の健康を維持する役割を果たします。ストレス下ではこれらのビタミンの需要が増加し、不足するとストレスに対する耐性が低下します。

 ある文献では、ビタミンB1が欠乏すると、イライラしたり協調性が無くなったと報告されています。ビタミンB1もエネルギー代謝に必要であり、これが欠乏すると疲労感がたまり脳の活動が低下してしまうと考えられています。

ビタミンC

 抗酸化作用があり、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを調整します。また、免疫機能を強化し、身体がストレスに対処する能力を向上させます。

マグネシウム等のミネラル

 マグネシウムは、神経の興奮を抑制し、リラックスを促進する役割があります。ストレスに対する反応を和らげるため、十分な摂取が重要です。

 ミネラル分が不足すると、神経伝達物質が十分に機能しなくなり、集中力の低下を招いたり、イライラを生みだす要因と考えられています。

オメガ3脂肪酸

 オメガ3脂肪酸(EPAやDHA)は、脳の構造と機能を保つために必要であり、炎症を抑える効果があります。これにより、ストレスによる炎症反応を軽減し、精神的なストレス耐性を向上させます。

抗酸化物質の摂取

 抗酸化物質は、体内の酸化ストレスを軽減するために重要です。酸化ストレスは、細胞を傷つけ、ストレス反応を悪化させることがあります。フルーツや野菜に含まれるビタミンE、ビタミンC、ポリフェノールなどの抗酸化物質を摂取することで、身体の防御機能を強化し、ストレス耐性を高めることができます。

睡眠の質向上

 適切な栄養摂取は、睡眠の質にも影響を与えます。例えば、トリプトファンを含む食品(例えば、七面鳥、乳製品、ナッツなど)は、睡眠を促進するホルモンであるメラトニンの前駆体です。良質な睡眠は、ストレスに対する反応を適切に調整し、ストレス耐性を高める上で不可欠です。

腸内環境の改善

 腸内環境は、精神的な健康と密接に関連しています。腸内細菌は、セロトニンなどの神経伝達物質の産生に関与し、腸と脳を結ぶ「腸脳軸」を通じてストレス反応を調整します。バランスの取れた食事は、善玉菌の増殖を促し、腸内環境を整えることで、ストレス耐性を向上させます。

 腸内環境と発達障害の症状との関連も指摘されています。詳しくは、関連の記事をお読みください。↓

まとめ

 清涼飲料水やお菓子に含まれるショ糖。適度に摂取する分にはよいですが、食べ過ぎてしまうと「イライラ」や「癇癪」を起こしやすいことが分かりました。

 子どもがよりよい精神状況でいるためには、バランスの良い食事や野菜類を摂取すること、肉だけでなく魚類も摂取することなど、偏食なく食べることが大切です。

 また、できる限り家族そろって食事を食べることによって、ストレスを緩和させる効果も期待できます。

 こういった食生活の面を改善するのも、子どもの発達には良い影響を与えるでしょう。

参考文献
・小林 真 他:幼児のストレス対処行動に気質と食生活が及ぼす影響.富山大学教育学部研究論集 No4.59-66.2001

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