リハビリ専門解説!私の小児リハビリカルテ

「こだわりを変える!」ワンピースしかきない自閉傾向のある女の子

自閉症,こだわり,対応,服 リハビリ専門解説!

「ワンピース」しか着ることができない女の子の症例と出会いました。

 こだわりはいろいろあれど、「洋服」のこだわりは、案外やっかいなものです。
 「特定のもようしかきない」
 「半袖しかきない」
 「ずっと長靴をはいている」
 
 このこだわりをどうやって打破するか…
 
 今回のきっかけは「通販アプリ」でした。

症例の紹介

 E子ちゃんは3年生の女の子です。
 軽度の知的障害と自閉傾向があり、遊びの特徴としてダイナミックな感覚を「異常」に怖がる様子がみられ、介入当初はトランポリンを飛ぶこともできませんでした。

 さらの「服」のこだわりが見られました。
 この服のこだわりはワンピースしか着ることができないというものでした。
 
 このワンピースには小さなころからの理由が関係していました。

下着がはけない幼少期

 幼少期のころ、自宅では下着すら着ることができないお子さんでした。
 通園施設にいく時は、しかたなく下着をはくものの、ズボンをはくことができずにスカートで過ごしていました。

イスに座れない学校生活

 小学校の生活では椅子に座らずに、立った状態で授業をうけていました。さすがにこのままではよくないと、椅子ではなく床に座布団を敷いて授業をうける対応で過ごすことができていました。

陰部の不快感? トラウマ?

 下着やズボンがはけない、椅子に座れない、ワンピースにこだわる理由のひとつに、感覚の過敏さや下着等のしめつけによる不快感を疑いました。
 しかし、どうやらそれだけではなさそうです。もしかすると、幼いころに「トイレで失敗した」という経験が下着、ズボンにネガティブなイメージを植え付けているかもしれないのです。

こだわりをかえるのは「良いイメージをつくること」

 この不安感や不快感からくるネガティブなイメージを変えるためには、ワンピースタイプ以外の洋服に良いイメージを与える事と仮説をたてました。

その方法とは・・・

 良いイメージを与えるには、「着せ替え人形」のような遊びを利用する、E子ちゃんに来てほしい服を身近な人が着るなどの方法が考えられました。

 そして、もうひとつ思い浮かんだアイデアがありました。

きっかけはアプリだった。

 そのアイデアとは「通販サイト」です。通販サイトは、モデルが着ている姿をみるだけでなく、一般投稿者による写真付きコメントで実際に来ている姿をさまざまにみることができるのです。
 これを同伴したおばあちゃんとE子ちゃん本人、そして私の3人で見ることにしました。

↓↓実際に使用した通販サイト↓↓
アメリカ発ファッションブランド通販|SHEIN(シーイン)

ゆー
ゆー

「こんなアプリやサイトがあるんですよ。」

E子ちゃん
E子ちゃん

これ、かわいい!

祖母
祖母

これなんかE子ちゃんににあいそうじゃない

E子ちゃんに来てほしい服を一緒にみる

 E子ちゃんが興味をもったところで、着てほしいワンピース以外の服を積極的にみることにしました。

ゆー
ゆー

他にも、ほらこんなにあるよ

E子ちゃん
E子ちゃん

これは、一緒になってるやつ?
(ワンピースタイプかの確認)

祖母
祖母

スカートと上はべつだよ。スカートでもなかはズボンみたくなってる

 ちょっと表情が曇るE子ちゃん。すると、おばあちゃんがこう切り返しました。

祖母
祖母

これなんか、おねえちゃんが好きそうだね

E子ちゃん
E子ちゃん

ほんとだ。おねえちゃんが着てそう

ゆー
ゆー

お姉ちゃんとおそろいできたら、かわいいかもね

祖母
祖母

ほんとだねぇ。おねえちゃんと一緒にきれるといいねえ

E子ちゃん
E子ちゃん

この服、かわいい!

 ワンピース以外の服を「かわいい」といったEこちゃんです。

私はオシャレが好き!

 さらにおばあちゃんの一言がE子ちゃんに大きく響きました。

祖母
祖母

E子ちゃんはオシャレが好きだもんね!!

E子ちゃん
E子ちゃん

そう、洋服とかそういうの好き!

ゆー
ゆー

いろいろな服をでおしゃれするとたのしいよね

良いイメージを作る工夫は「自分に置き換えること」

 おさらいします。今回の大きな目標は2つ

▸ ワンピース以外の衣服やズボン等に良いイメージをつくる

▸ 身近な人が着ている様子を見せる

 アプリを使うことで、画像をみて洋服のイメージがつかみやすくなります。

 また、一般ユーザーが写真付きでコメントしているので、よりリアルに自分が着ている姿をイメージすることができたのではないでしょうか。

お姉ちゃん」が着ていることをイメージ

 おばあちゃんのおかげで、「お姉ちゃん」が着ていることをイメージさせることができたのもよかったのではないでしょうか。

 一緒にきたらかわいい、うれしいというポジティブな感情を生み出すことができたのではないかと思います。

憧れのお姉ちゃんが着る様子をみれば、きっと私も着たくなる。そんな可能性をかんじました。

さらにダメ押し おばあちゃんの一言

「オシャレが好き」
 この言葉により、色々な服に挑戦してみようというスイッチが入ったような気がします。
 めちゃくちゃ目を輝かせて、アプリの画像をみていましたから。

 本人の思考を変えるには、セラピスト一人ではできません。家族の協力も必要不可欠なのです。

ゆー
ゆー

「通販サイト」
「おばあちゃん」
「おねえちゃん」

この3つのおかげで、E子ちゃんのイメージを変えることができました!!


↓↓実際に使用した通販サイト↓↓
アメリカ発ファッションブランド通販|SHEIN(シーイン)

今回の変化を支えたのは「本人の自信とチャレンジ精神」

 リハビリ場面でも、高いところにのぼる、トランポリンでハイジャンプする、といった今まで怖がってできなったことにチャレンジするという気持ちが最近では芽生えていました。

だからこそ、今回の「通販サイト大作戦」もうまくいったのではないでしょうか。

自信をあたえたのは「おねえちゃん」

 不安がつよかったE子ちゃんを変えたのは「おねえちゃん」と一緒にあそぶという体験からでした。
 不安がつよかった理由は、感覚の変化に弱かったこと、そして自分の体の動きをじょうずにイメージできない事が原因だったと推測しています。


 ある日のリハビリ、お姉ちゃんと一緒にあそぶ機会がありました。おねえちゃんがトランポリンを飛びます。高く、とてもダイナミックに体をつかって。
 それをE子ちゃんは憧れの目で見ていました。これをきっかけに「やってみよう」という気持ちになったのです。飛んでみると、意外にもたくさんとべる、高く飛べる、手足を広げて飛ぶこともできる。

 「できる」が積み重なった結果。自信を取り戻すことができました。

おねえちゃんがお手本になった

 上手にからだの動きをイメージできない、トランポリンは怖いものという印象をもっていたE子ちゃんにとって、飛ぶお姉ちゃんの姿は「お手本」になったのです。身近な家族であるお姉ちゃんが楽しく飛ぶ姿をいることで、「トランポリン=楽しい」というイメージを変えた瞬間でもありました。

ゆー
ゆー

今回の「服のこだわり」も

おねえちゃんをイメージすることが役に立ちました!

おねえちゃん、ありがとう

まとめ

 良いイメージをつくるためには、
 「目に見える」
 「身近な人をイメージする」

 これが非常に有効な手立てになることをがわかりました。

 そしてやはり、子どもが興味をもつ、自信をもって出来るタイミングという物があります。
 「そのタイミングを掴む」
 これが支援をするうえで、大変重要なポイントだと感じる症例でした。

ゆー
ゆー

おまけの余談
通販サイトを見ておばあちゃんがこんなことを言っていました

祖母
祖母

ここの商品、安いから色々買って試せそうだね

 そうなんです。今回使用したサイトの商品は、どれもほんとに安い!
 ちょっとのぞいてみてください↓↓
トレンドアイテムをお手頃な価格で!ファッションブランド【SHEIN】

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