正直に言います。わたしは、片付けが苦手です。だから調べました、私自身のために。
ADHDのお子さんや発達障害を持つお子さんの中には、片付けが苦手な子も多い。
もちろん、障害があってもなくても、子どもたちは散らかすのが仕事かというくらい、片付けがなかなかできない子もいます。
「これができないから、片付けができないんだよね」 というような片付けができない原因であり、解決策であるひとつの言葉をみつけました。
Only Handle It Once
一度しか処理しない
一つの物事を処理する機会は一度だけにする
という意味です。つまり、「あとでやろうはダメ」ってことです。
何かものを手に取って、「あとで片づけよう」と再びおいてしまうと、忘れます。
これが片づけられない根本であり、対策です!
だいじなので、もう一度書きます。
片づけようと思った物をさわったら、それは最後まで片付けよう!
ADHDをはじめとした発達障害のお子さんのなかには、見通しを立てることが苦手であったり、複数の事柄を同時に進めることが苦手な子がいます。
片付けるために物をどこに置こうか、どうやったらいいのか、そういったことを考えること自体が苦手なので、そんなことより目先の楽しそうなことに注目がいってしまい、ポンと物を置いて忘れてしまいます。
考えるのが面倒であれば、ものを置く場所を一つに決めておく。こんな提案はどうでしょう。
なんでも収納ボックス
手に取って片付けようと思ったもの、行き場がないと感じたものをいったんおさめておく場所。
定期的に、計画をたててそのなかを整理整頓します。
これを調べていて…あとまわしにしているな。反省
私自身、肝に銘じます。
実行機能を活かした片付けファイブ
片付けには「実行機能」という脳の機能が大きく関与していると言われています。
「分類」と「整頓」は,実行機能の「プランニング」「効率」「切り替え」「注意の維持」のいずれとも関連していた。
つまり、この実行機能が上手く働かないことで片づけが上手くできないとも言えます。
発達障害と実行機能については、このような報告があります。
ASD児の右の下前頭領域の活動が,定型発達児の脳活動比べて,弱いことが示された。この結果は,ASD 児が実行機能に問題を抱えることを示唆している
ASD児(自閉スペクトラム症)についての記述ですが、ADHDにおいても前頭葉の活動の弱さや実行機能の弱さが示唆されています。
つまり、発達障害を持つお子さんは、実行機能になんらかの苦手さを抱えていると捉えることができます。
「片付けができない、苦手である」ことの根底には脳の活動が関係しているのです。そうなると、努力や気合い、叱ることでは片付けはできるようになりません。
・子どもの能力(脳力)を把握すること
・苦手さをサポートすること
という考えが必要になってきます。
そこで、この実行機能を活かした片付け5つのポイントを考えました。
お子さんの苦手な部分を理解したうえで、この部分をサポートしてあげることで片づけがぐんとしやすくなるでしょう。
1. プランニング
・片付けを計画する、プランを立てる
・物を片付ける場所を決めておく
・期限を決める
・いつ どこを だれが どのように どこに 片づけるのかを明確にする
2.効率
・複数の片づけを同時にこなすのは、発達障害のお子さんには効率が悪い
・一点集中!
・一つのことを完結させよう
3.切り替え
・判断力ともいえる
・いる、いらないをすばやく判断する。
・使っていないもの➡処分するという片付け戦略の切り替え
・置く場所をわかりやすくすると、手に取ったらそこにいれるという判断を導きやすくなる
・写真やイラストなどをつかって目で見てわかりやすい工夫も、判断力に一役買う
4.注意の持続
・あなたの集中力はどれくらい?
・集中力が持つ分の量だけを片付けよう。
・一度にすべてを片付けるのはたいへんなので、スモールステップ
5.動機付け
・片付けると得られるものを考えてみよう。
「気分がよくなる」
「居心地をよくしたい」
「気分転換をしたい」
・ゲーム感覚で片づけが楽しいという感覚を学習する
実行機能は幼児期に発達し、その後はゆるやかに成長する
片づけを定着させるために重要な時期は「幼児期」です。
実行機能は,乳幼児期にその発達的萌芽がみられ,幼児期に著しく発達し,児童期から成人期にかけて穏やかに発達が続いていくと考えられている
実行機能が著しく発達する幼児期は、片付けの習慣を身に着けるポイントとなります。
子どもが自発的に片づけをするためには、2つのポイントがあります。
・子どもたちが片づけの時に遊びを満足して終えられること
子どもが心行くまで遊びを満喫する、遊びきること
・片づけに楽しみを見出せていること
ゲーム感覚で片づけをする
この2つのポイントに共通していることは
楽しいということ
遊びの楽しさ、そして片付けという生活場面での楽しさ、これがつながりをもっていることによって、子どもたちはスムーズに片づけに移行することができます。
そして、片付けるという経験から、片付けの重要性や必要性を学び、自発的な片付けという行動につながっていくのです。
小児リハビリでも、子どもが満足するまで遊ぶと
その後の片付けがとてもスムーズです。
楽しく遊んで、片付けも認められて。一石二鳥
「自由な遊び」が子どもの実行機能を高める
このような報告があります。
子ども自身がつくりだす自由な活動が,ある種の実行機能を鍛える可能性を示している
幼児期から発達していく実行機能は、特別な特訓をする必要はなく、子どもが自由に遊ぶ中に含まれています。
私たちは長い進化の過程で、必要な能力を獲得してきました。その発達の過程もまた、進化のなかで獲得してきたことです。
子どもたちは、遊びの中で自分自身に必要な能力を身に着ける力があります。それにはなにか特別なプログラムは必要ありません。
子どもの好奇心を満たし、遊びの満足感を得る中に含まれています。
ただし、発達障害などによって実行機能が発達するべき幼児期に十分に発達していない場合、小児リハビリという場面が必要になるときがあり、そこに意味があります。
まとめ
こどもが片付けを学ぶためには、つぎのことが必要と言われています。
子どもの頃に大人が片づけの模範となる態度を示し,子どもが片づけ行動を学ぶ機会を設ける必要がある。
わぁーわぁーわぁー 痛い。 耳が痛い…。
その通りです。手順や方法がわからなければ、片付け方法もわからないのです。
そして、苦手な能力がある場合は、適切なサポートをしながら片づけることが重要です。
「片づけなさい!」
この一言で終わらせるのではなく、親子で一緒に片づけることが大切になってきますね。
我が家の片付け事情を暴露!
うちは男子ばかりの4兄弟。当然ながら、男の子向けのおもちゃしかありません。ロボット、何とか戦隊のロボット、仮面ライダーの変身ベルト、くるま、レゴ…
なにかとおもちゃを買うと、片付かない。どんどん物が貯まっていってしまうのが悩み。そして、年齢によって遊ぶおもちゃがどんどん変わってきます。
その都度、古いおもちゃは処分したり、寄付したり…。
おもちゃがレンタルできたらなぁ、そんなこと思ったことありませんか?
2か月に1回 年齢に合わせたおもちゃが届く
子どもにとって夢のようなサービスがあるんです。
子どもの成長や年齢に合わせたおもちゃを届けてくれる 定額制のサービス
登録するときに「ヒアリング」をすることで、お子さんの年齢と好みに合わせたおもちゃを選んで届けてくれます!
いわゆる「サブスク」っていうものです。
ウォーターサーバーのレンタルや定額見放題の動画サービスなどと同じようなサービスですね。
このおもちゃの定額サービスはなといってもその値段です。
6から7点のおもちゃが届いて 月額3,100円から!
ふつうに購入したら1個1000円だとしても、6000円かかります。
でも、2か月に1回おもちゃを交換して、違うおもちゃを届けてもらうことができるのです。
2か月に1回 つまり、12か月÷2か月=6か月
まさに、1年の半分がクリスマス🎄
デメリットはないの? 気になるギモン
定額でおもちゃを受け取れるとはいえ、ほんとうにメリットがあるのか疑問ですよね。
わたしも思いました。
わたし自身がこのサービスで疑問に思ったことをあげてみます。
Q:すぐに飽きちゃってあそばないおもちゃは交換できる?
お子さんによってすきなものや特性は様々です。合わないおもちゃが届く場合だってあるかもしれません。これが定額サービスのデメリットと言えるかもしれません。
あそばないおもちゃは、定期交換でかえることができますが、随時交換も受け付けています。
ただし、往復送料は負担しなければなりません。
ですが、どうしてあそばなかったのか、どんなおもちゃが遊ばれなかったのかを伝えることで、よりお子さんに合わせたおもちゃを選んでくれるというメリットがあります。
Q:このサービスは何歳から使えるのか?
生後3ヶ月から6歳までを想定しています。
Q:なくしてしまった。壊してしまったら!?
紛失してしまった場合は、特別価格での買取となるようです。
ただし、破損や傷に関しては、そのまま返却してOKとのこと。
お子様に思いっきり遊んで欲しいという願いから弊社では破損や傷に関しての弁償は一切ございません。
Cha Cha Chaサイトより
すごっ!!この企業理念、神…!
Q:気に入ったおもちゃは延長できる?買取できる?
気に入ったおもちゃがあれば、1点でも延長ができるとのこと。つまり、1点だけ手元に残しておいて、ほかのおもちゃは交換するみたいなことができるようです。
また、買取も可能で、特別価格で購入ができる。
いろんなおもちゃにふれて遊んでみて、お子さんにあう商品を見つけるのも手ですね。
Q:小さい子はおもちゃを口に入れるし…衛生面は大丈夫なのか?
衛生面は徹底した消毒、洗浄を行っています。
詳しくは、企業のホームページをご覧ください。
それでも、お口に入れてしまうおもちゃは衛生面ではなく、感覚的にちょっと苦手かも…。という意見もあるのも事実です。これはおもちゃレンタルのデメリットでしょう。
こどもにとって、「あそび」は「学び」
感触をかんじとったり、考えたり、手を使ったり。子どもたちは遊びながら成長していきます。
子どもたちはいつだって好奇心旺盛です。
想像してみてください
プレゼントをもらった時の、箱を開けた瞬間の、
ワクワク感、キラキラした子どもたちの目を。
私はいまでも鮮やかによみがえってきます。プレゼントを包んでいた包装紙のにおいまでも。
子どもたちはあっという間に大きくなってしまいます。
とくに0歳から6歳の成長はめざましく、体も脳もあっという間に大きく成長していきます。
短くも、濃いこの時間、始めるなら今です!
引用文献
・森口佑介:実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援. Japanese Psychological Review. Vol. 58, No. 1, 77-8.2015
・森口佑介:就学前期における実行機能の発達 心理学評論,51, 447-459. 2008
・元井沙織. 小野寺敦子:日本における片づけに関する心理学的研究の展望. 目白大学 心理学研究. 第15号.53-64.2019
・Gogtay, N.et al:Dynamic mapping of human cortical devel opment during childhood through early adulthood.Proceedings of the National Academy of Sciences ofthe United States of America, 101(21),8174-8179. 2004
・Yasumura, A. et al : Neurobehavioral and hemodynamic evaluation of cognitive shifting in children with autism spectrum disorder. Journal of Behavioral and Brain Science, 2, 463-470.2012
・Braver, T. S. et al : Flexible neural mechanisms of cognitive control within human prefrontal cortex. Proceedings of the National Academy of Sciences, 106(18),7351-7356. 2009
・時間を節約する OHIO(オハイオ) について:分断された世界の片隅から
https://kosuke-komiya.hatenablog.com/entry/2017/02/22/213041
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