「こどもが好きなキャラクターで手の練習できないかな」
「ごっこ遊びややりとりを促したい」
「手と目の動きが悪いって言われたけど、どんなあそびがいいんだろう」
子どものリハビリを専門に行う療法士が、日々のあそびやおもちゃを解説します。そのあそびには、どのような「学び」があるのでしょうか?紐解いていきましょう。
こんな効果を求める方におススメ!
✧٩(ˊωˋ*)و✧
・手と目の協調を促したい
・握る、つまむといった手先の動きを促したい
・ごっこ遊びで人とのやりとりを促したい
・形の把握や図案通りつくるための見る力や判断力を養いたい
さて、小児リハビリではリハビリのツールとして子どもに人気のおもちゃがいくつかあります。その中で、トップ3に入る人気のおもちゃの一つ
「アンパンマン くるっと♪はいっどうぞ ドキンちゃんのラブリークレープ屋さん」
アンパンマン くるっと♪はいっどうぞ ドキンちゃんのラブリークレープ屋さん
アンパンマンのキャラクターおもちゃで、ドキンちゃんがクレープ屋さんになりました!
このおもちゃでは、10種類のトッピングパーツを組み合わせて、クレープを作る楽しさが味わえます。柔らかいクレープ生地をくるっと巻いて、可愛いクレープが完成!
ボタンを押すと、ドキンちゃんの愛らしい声と楽しい音楽が流れ、子どもたちは大喜び!ノリノリで遊ぶことができます。
トッピングパーツは穴にはめ込むようになっていて、クレープ生地はしっかりとした作りで、丈夫です。
商品写真を見ながら、そのままの組み合わせでも良いですし、自由にパーツを組み替えて、お気に入りのクレープを作ることもできます。
魅力的なクレープ作りの世界に、どっぷりと浸れるおもちゃです!
どんな効果があるんですか?
このおもちゃには次のような学びが含まれています。
・手と目の協調動作
・手元への注意、注視能力
・マッチングや創造性
・やりとりの促し
このおもちゃの特徴は、手指の操作を豊かに含んでいることです。手の発達には「握る」や「指でつまむ」といった動作が重要であり、このおもちゃを通じてそれらの動作を楽しく練習することができます。
クレープを握る
クレープを握るときには柔らかいクレープの皮をギュッと一定の力で握り続ける必要があります。この握る動作によって手指の筋力や持久力を鍛えることができます。
さらに、クレープを握るだけでなく、親指を使って皮の一部を押さえる動作も必要になる場合があります。このような操作を通じて、握るから親指の操作への遷移を促すことができます。
トッピングをつまむ
トッピングパーツをつまむ時には、指先を使ってつまんだ後、指を使って力を込めて押し込む必要があります。逆に、トッピングを外す際には指に力を込めて引っ張る必要があります。これらの操作を通じて、指先の力を鍛えることができます。
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・道具を使うための手の発達 きほんのき
マッチングや創造性
トッピングパーツの組み合わせを考えることで創造力や空間認識能力を刺激します。また、見本の写真を参考にするだけでなく、自由にパーツを組み替えてオリジナルのクレープを作ることで、子供の想像力や問題解決能力も育みます。
ごっこあそびの効果
ごっこ遊びは、子供たちに様々な効果をもたらす有益な活動です。
想像力と創造性の発達
クレープ屋さんごっこは、子供たちが自分自身をクレープ屋さんやお客さんとして想像し、状況や役割を創造する機会を提供します。これにより、子供たちは自分の思考やイメージ力を活性化させることができます。
コミュニケーションと社交スキルの向上
ごっこ遊びは、子供たちが他の子供や大人と対話し、協力し、役割を分担するための機会を提供します。
クレープ屋さんごっこでは、注文を受けたり、クレープを作ったり、お金を払ったりする場面でコミュニケーションが生じます。これにより、子供たちはコミュニケーションスキルや社交スキルを発展させることができます。
問題解決能力の発達
クレープ屋さんごっこは、子供たちが様々な状況や問題に対して解決策を考える機会を提供します。例えば、注文が混雑しているときにどのように対応するか、材料が足りない場合にどのように対処するかなどです。子供たちは創造的な方法で問題を解決するための戦略を学ぶことができます。
役割理解と共感の促進
クレープ屋さんごっこのおもちゃを通じて、子供たちは自分自身と他人の役割や立場を理解する機会を得ます。クレープ屋さんやお客さんの役割を交代しながら遊ぶことで、他人の視点や感情を考慮することができます。これにより、共感や思いやりの心を養うことができます。
リハビリではこんな工夫をします。
手の発達でも解説した通り、手先だけでなく肩や肘など手全体の動きを促す必要があります。そこで私はこのおもちゃを使ってこんな工夫をしています。
・トッピングパーツを高いところにくっつけて、手を伸ばして取ってもらう
・トランポリンと組み合わせて、ジャンプしながらトッピングパーツをとってもらう
パーツを利用して、高いとことに手を伸ばして肩や肘の動きを促します。また、トランポリンなどの違う遊具やおもちゃと合わせて使うことで、体全体の動きも同時に促すことができます。
ごっこ遊びでは、おはじきをお金代わりにして、おはじき入れをおこなうと、さらに指の動きを促すことができますよ。重ね技!
手の力はあるのに、うまくクレープを巻けないお子さん
お子さんの中には、手の力があるにも関わらずうまくクレープを巻けない子がいます。
それは、手の力がよわいんでははなく、手元をほとんどみないんです。
そして、セラピストの手元もみない。その様子から、クレープの皮に合わせた手の動きがイメージできていないように思えました。
どのようなものをつかんで、どのように取り扱えばよいのか情報を適切に得ることができず、また自分の手をどのように動かしたらよいのかイメージがつかないことで、指それぞれの連携した動きができず、結果的に握る力や皮を手でまとめる手の動きが出せなかったと考えられます。
このもちゃで遊ぶ様子から、手先の発達だけでなく、こういった注意の問題、目と手の協調した動き、自分の体をイメージすること、他者への注意や意識することなども、読み取ることができます。
いろんな面から、お子さんを見てあげることが大切です。
まとめ
子どもたちに人気のおもちゃは、子どもたちに必要な能力を促す機能がたくさん含まれています。子どもたちは知ってか知らずか、そういったおもちゃを選ぶ傾向があります。もちろん、セラピストも使い勝手がよいので、たくさん使います。ほんとにこのクレープ屋さんはオススメです。
またごっこ遊びができますので、親子で楽しく遊んでも良いですね!
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