まずはここから!小児リハを学ぶリハビリ専門解説!

いま国に求められている事とは?国が考える子育て世代の支援システムと求められる5つの領域

まずはここから!小児リハを学ぶ
国の施策2021

タイトルかたい。どうも、ゆーです。
でも、今回はいいんです。超まじめな話ですから。

 先日、わたしが学校のケース会議に出席した過程の記事をあげました。民間の病院で働く療法士が、地域サービスと連携するには、まだまだ課題がたくさんあります。
 今回は、日本国が考える子育て支援に関わる支援システムや医療児ケアの支援システムについて。
 そして、発達障害児の支援における、地域サービス、医療の連携と今後の課題について厚生労働省の資料や報告書をもとに、かなり まじめに考えてみたいと思います。

こんな人におススメ!
✧٩(ˊωˋ*)و✧

・国が行っている子育て支援の概要をしりたい
・障害児支援において、国が求めることをしりたい
・通所支援における問題点や課題をしりたい
・発達分野の療法士に求めれている役割をしりたい

障害児支援の基本的な方針

・地域社会への参加・包容(インクルージョン)の推進と合理的配慮
・障害児の地域社会への参加・包容を子育て支援において推進するための後方支援としての専門的役割の発揮
・障害児本人の最善の利益の保障
・家族支援の重視

 インクルージョンとは、多様な人々が互いに個性を認め、一体感を持って働いている状態のことをいいます。障害があっても、なくても、個人一人一人の個性、多様性をみとめ社会生活を送っていこうとすることが、基本的な方針です。

 そのために必要な事としては、次のようなことがあげられています。

・ライフステージに応じた切れ目の無い支援(縦の連携)
・保健、医療、福祉、保育、教育、就労支援等とも連携した地域支援体制の確立

妊娠の時から、赤ちゃん、幼児、就学、進学、就職と成長に伴って、起こりうる問題は変化していきます。それに合わせた適切な支援が、切れ目なくシームレスに受けられることが重要です。

それを支える支援機関が連携できるシステムの構築が求められています。

地域包括ケアシステム

 高齢者の介護分野では、「地域包括ケアシステム」という考え方があります。

団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきます。

 家庭での暮らしを中心に、「医療」・「介護や福祉」、そして介護状態にならぬよう健康でいるための「予防・生活支援」が一体となって人びとを支えるシステムです。

発達障害や医療的ケアを必要とするお子さんに対しても、この地域包括ケアの考え方に似た小児におけるシステムが考えられています。

子育て世代や医療的ケアが必要な家庭を支える支援システム

子育て世代包括支援センターの全国展開

妊産婦等が抱える妊娠・出産や子育てに関する悩み等について、助産師等の専門家又は子育て経験者やシニア世代等の相談しやすい「話し相手」等による相談支援を行い、家庭や地域での妊産婦等の孤立感を解消を図ることを目的とする。

 このように厚生労働省の資料には書かれており、妊娠期から子育て世帯を支える様々な支援や仕組みを構築すべく事業を進めています。
 産前産後のケア、障害児支援機関、子育て支援機関、民間機関、保健センター、医療機関などの事業や連携のほか、家族、近隣、友人、民生委員、ボランティア、非営利団体(NPO)といったサービス(インフォーマルサービス)も組み込まれており、地域全体で支えていくことが求められています。

医療的ケア児等総合支援事業(地域生活支援促進事業)

医療的ケア児とその家族へ適切な支援を届ける医療的ケア児コーディネーターの配置や地方自治体における協議の場の設置など地方自治体の支援体制の充実を図るとともに、医療的ケア児とその家族の日中の居場所作りや活動の支援を総合的に実施する。

 医療的ケアが必要なお子さんの支援を主とした事業です。とくに在宅生活を支えるための訪問看護の充実や学校への支援体制などが盛り込まれています。

 こういった様々な施策を支える一端として、わたしも病院で小児リハビリの役割を担っているわけですが、まだまだ点と点が線で結びついていないような実感があります。
 療法士の視点から述べますと、まず療法士という職業の認知度が低いために、支援につながりにくいという面があります。もちろん、地域の連携が上手にいった実例もありますが、これからも発展を続けていく必要がある分野であると言えます。

ゆー
ゆー

わたし自身がももっと行動しなければ!

では、発達障害児を支える地域サービスのひとつ、通所支援(放課後等デイサービス 等)に目を向けてみましょう。

障害児通所支援は質を上げていくことが求められている!

障害児通所支援の在り方に関する検討会報告書(令和3年 10月)には、通所支援の利用状況を踏まえたうえで、次のようなことが赤字で述べられています。

障害児通所支援が提供する発達支援の質を上げていくことが重要

 この背景にはこのような報告がなされています。

見守りだけで個々の障害児に応じた発達支援がなされていない場合に加え、学習塾のような学習支援のみとなっている、ピアノや絵画のみの指導となっている等、必ずしも障害特性に応じた専門性の高い有効な発達支援と判断できない場合や、サービス提供内容からみて、障害のない子どもであれば私費で負担している実態にあるような内容については、公費により負担する障害児通所支援の内容として相応しいとは言えないと考えられる。

 言い方が適切かわかりませんが、ただの預かりになってしまったり、まるで学習塾のように学習支援のみを行う事業所、絵を中心に支援を展開する事業所といった、その事業所の得意とするところを特化して支援体制を作ってしまった結果、厚生労働省としては支援に偏りがあると捉えられてしまったようです。

ガイドラインで求められる5つの領域

ガイドラインにおいて、4つの役割(本人支援・移行支援・家族支援・地域支援)を定めた上で、本人支援については5領域の支援
(「健康・生活」、「運動・感覚」、「認知・行動」、「言語・コミュニケーション」、「人間関係・社会性」)
を行うこととし、総合的な支援が定められてきた。また、特に本人支援に関しては、障害児の「個々の障害の状態及び発達の過程・特性等に応じ」た5領域をカバーする支援が本来の支援の在り方として想定されている。

 通所支援のガイドラインにおいては、次の5つの支援が求められているわけです。

・健康、生活
・運動、感覚
・認知、行動
・言語、コミュニケーション
・人間関係、社会性

 つまり、厚労省が求めている支援はこの5つに基づいて行われるべきであり、それを逸脱したものは偏った支援ととらえられてしまうということになります。
 この5つの領域は、療法士として専門性を活かせる分野が勢ぞろいです。だからこそ、療法士と通所支援との連携強化が必要な根拠のひとつと考えられます。
 療法士がきちんとした質を確保し、結果を出さなければならないと強く感じます。

ゆー
ゆー

発達を専門に行う療法士の力を活かせるチャンスがあることは大変うれしく思います。
しかし、わたしにはひとつの考えがあります。

お互いの専門性を高める場が必要

 厚生労働省の資料には、

専門性の高い有効な発達支援(理学療法、作業療法、言語療法等)については、「特定プログラム特化型」(仮称)の児童発達支援として位置付ける方向で検討すべきである。

と記載があります。つまり、療法士の専門性を活かしてリハビリプログラムをより専門性の高い支援として、通所支援に展開していこうという方針です。

「特定プログラム特化型」(仮称)の支援については、一部領域の支援のみに偏ることがないよう、児童発達支援センター又は障害児相談支援事業所により、個々の障害児の状態像・発達過程・特性等に応じた支援の全体像のコーディネートが行われる仕組みについて検討する。

 また、支援の偏りを防ぐための施策も、厚生労働省の会議では考えられているようです。

ゆー
ゆー

偏りをなくすためには、様々な視点が必要不可欠です!

 もちろん、療法士は高い専門性を保つために様々なことを学びますが、あくまでもリハビリテーションに特化しているということを理解しておかないといけません。
 正直に言うと、私は作業療法士ですが、保育のことはわかりません。教育現場のこともわかりません。小児リハビリに関係することしかわかりません。ですから、支援の方法が偏る可能性もあるわけですね。

 だからこそ、多職種が関わる意味が出てきます。

 保育には保育のプロがいる。学校には教育のプロがいる。発達支援にも、プロがいます。家族相談や悩みを聞くプロがいます。

 様々なプロ集団が、色々な視点で「たった一人のお子さん」あるいは「その家族」を支えることが、重要であり、お互いの専門性を高めることが大切だと私は感じます。そのために、多職種がそれぞれの立場で話し合える場や地域のシステムを作ることが課題であると考えます。

YOUTUBEでライブ解説を意見交換の場に。

 もちろん、お互いの専門性を高める場が自分たちの住む地域で広がれば理想的です。でも実際は一人職場であったり、人との連携が苦手が方もいるでしょう。

だから私は大きな視点でとらえ、気軽に参加できる場所を作りたいと考えました。

それが私が行う「YOUTUBEのライブ配信」です。

面と向かって意見を言えなくても、匿名のチャットなら意見が言えるかもしれません。勉強会に行く時間がないけれども、家に居ながら参加できるメリットもあります。

YOUTUBEライブ配信を行う、もう一つの理由

 わたしは、発達障害のお子さんをそだてるお母さんと一緒にライブ配信をしています。それはYOUTUBEライブを行う、もう一つの理由があるからです。

厚生労働省の資料には、

潜在化してきた支援ニーズについて、既に相当程度顕在化したと考えるよりは、まだ顕在化していない支援ニーズがあり、今後も増加する可能性がある。

と記載されています。

 支援を受ける必要があるにもかかわらず、支援を受けていない家庭や育てにくさに悩んでいるご家庭もまだまだ多いかもしれません。

 あなたが支援を受けるきっかけとなれば。悩みをかかえこまず、だれかに相談する場所があれば。
 それがYOUTUBEライブで実現できるかどうか、わかりませんがチャレンジする価値はあると考えました。

なにより、

お母さんの気持ちは、お母さん同士じゃないとわからない

お母さんは自分の子供を育てるプロです。だから、療法士の専門性だけでは解決できないこともたくさんあります。お母さんの生の声や意見と療法士の意見を交換することに意味があります。

YOUTUBEライブを行う、もう一つの理由は、

潜在化している悩んでいるお母さん、支援を必要としている家族を間接的に支える

youtubeライブ

チャンネル登録 よろしくお願いします。

まとめ

 わたしがブログで情報を発信している理由も、色々な人と連携を深めたり、相談できない、支援を受けることに躊躇してしまう。そんな方がすこしでも一歩を踏み出せたら良いなということが基盤となっています。

あなたと共に、一緒に学びあえる。そんなブログを作っていきたいと願っています。

引用文献
・厚生労働省ホームページ 
https://www.mhlw.go.jp/index.html
・厚生労働省 小児在宅医療と地域包括ケアシステム
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000114491.pdf
・厚生労働省 障害児通所支援の在り方に関する検討会報告書― すべての子どもの豊かな未来を目指し   
て ―令和3年 10 月 20 日障害児通所支援の在り方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000845350.pdf
・ 厚生労働省 障害児通所支援の在り方に関する検討会報告書(参考資料集)        
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000845127.pdf
・ 厚生労働省 障害児通所支援の在り方に関する検討会報告書 ~概要➊~
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000845125.pdf
・ 厚生労働省 今後の障害児支援の在り方について
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000051371.pdf
・ 厚生労働省 地域包括ケアシステムの実現へ向けて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/
・ 厚生労働省 子育て世代包括支援センターの全国展開
https://www.mext.go.jp/sports/content/20210219-spt_kensport02-000012895_3.pdf
・ 厚生労働省 医療的ケア児等総合支援事業(地域生活支援促進事業)
https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/kaigi/doc/teianbukai99shiryou3_3.pdf
(上記all access:2021/12/6)

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