つらい宿題の代名詞「読書感想文」
でも、これを読めばだれでも簡単に読書感想文を書くことができる解説シリーズ パート4に突入です。 ここまで読んでいただいた方、大変感謝しております。
パート4は、感想文の中盤にさしかかります。ここから感想文の話をどんどん膨らませて、文字数をかせいでいきますよ。
ポイント⑥ 感想から実体験に話をすりかえる
正直にいいますと、本の感想なんてものは「たのしかった」「おもしろかった」で終わってしまいます。
本の感想だけでは、原稿用紙をうめることはまずムリ!
こんなときは、話をすりかえましょう。一番書きやすいことは、そう「実体験」です。
子どもが実際に体験したことならば、感想を引き出しやすいし、エピソードもたくさんあります。これを利用するしかありません。
ただし、なんでもよいわけではありません。
本の「テーマ」と「キーワード」に合ったエピソード
これをおさえておかないと、文章がでたらめになってしまいます。
「家族」や「お友達」がテーマの場合は、エピソードが浮かびやすいですね。エピソードの中で感じた自分自身の 思いを語ることで、より作品と自分が結びついてきます。
でも「歴史」や「戦争」がテーマの場合、戦争などは体験することができません。そんなときは、
もし○○だったら。
実体験としてなければ、想像してもかまいません。もし○○だったら自分だったらどうする?、実際の世界でそれが起きたら?話を作っちゃえばいいんです。
あなたの想像力をいっぱい膨らませてください
パート②と③で使用したふたつの本で、今回も例文をつくります。
例①「あかたろうの1・2・3の3・4・5」というお話
あかたろうの1・2・3の3・4・5 (おにのこあかたろうのほん 1)
北山 葉子
偕成社
1977-03T
「優しさ」「おどろき」「魔法」これがこの作品のキーワード(軸)になる部分でしょう。
この軸にそったエピソードを書いてみます。
これを使った感想文の例
私もびっくりしたことがあります。それは、私の誕生日でした。学校から帰ってくると、玄関にお誕生日おめでとうと書いてあるかざりがありました。そして部屋に入ると、私が欲しかったプレゼントがおいてありました。うれしさとおどろきで、魔法にかかったみたいでした。それはお母さんやお父さんが私をビックリさせるために準備したそうです。(159文字)
例②アメリカン・ブッダより「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」
柴田勝家氏のアメリカン・ブッダより「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」というSF短編小説
柴田 勝家
早川書房
2020-08-20
「仮想現実」「想像力」「人々の多様性」これがこの作品のキーワード(軸)となる部分です。
これをもとに実体験のエピソードを盛り込んでみます。ちなみにこのエピソードは創作です(笑)
これを使った感想文の例
学校では同じ題材を使って絵を描く授業があります。同じものを見ていたとしても、人それぞれ違った色使い、違った描き方、違った構図、完成した絵に同じものは一つとしてありません。廊下に飾られた友人たちの絵を見ると、新しい発見があり、こういうものの見方があるのかと感心します。まるで自分以外のだれかの目を持ったような感覚になるのです。そして、それは私をとても楽しい気持ちにさせてくれます。多様性を認めるというのは、誰かの目を通して見えた世界を楽しむと言い換えても良いのかもしれません。(237文字)
まとめ
話をふくらませるためには、テーマとキーワードに合ったエピソードをもりこむ。
これが一番かんたんです。
パート②と③、そして④を加えたときの感想文の構成はこのようになっています。
1. 印象的な書出し
2. 簡単なあらすじ
3. ピックアップした文章
4. なぜその部分をピックアップしたのかという具体的な説明、感想
5. 実体験、エピソード、もしくは「もし○○だったら」という想像の話
次のパート5は、話をまとめる最後の部分です。
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