「どーん!」「ばーん!」「がしゃーん!」
「うちの子力の加減がどうにもできなくて…」
リハビリの現場でよく聞く相談事のひとつです。じつは私の子どもも「力の加減」が苦手で起こした事件は数々あります。
「理科の実験ビーカーを勢いよくおいて割っちゃった事件」
「ほうきで児童クラブの天井をツンツンしたら穴がいちゃった事件」
「新品の体育館のガラスをバランスを崩した拍子に割っちゃった事件」
この力の加減どうトレーニングしたらよいのかな…
「ジェンガ」を使って遊びながら学ぶ
「ジェンガ」というおもちゃは、積まれたブロックのタワーから、順番に1本ずつ抜き取って一番上にのせていきます。タワーを崩してしまった人が負けというシンプルなルールのゲームです。
この崩さずに「ブロック」を抜き取るという遊びかたが、今回のポイントです。
ジャンボサイズは、よりダイナミックに体を使って遊べます!
ノーマルサイズよりも、ジャンボサイズのほうが、全身の動きや位置関係の把握が必要になります。
より大きな体の動きを促したいときにおススメです!
「そーっと」力をつかう
崩さないようにブロックを抜き取るにはどうしますか?
そうです。力をいれすぎずに、そーっと手や指を動かします。
つまり「力の加減」を遊びながら学ぶことができるというわけ。ゲームと同じで、考え方はいたってシンプルです!
でもほかにも、色々な効果をもたらすことができるんですよ。
ジェンガにはこんな効果もあるよ!
リハビリ療法士の目線でジェンガをみてみると、こんな効果が期待できます!
【子供にあたえる効果】
▸目と手の連携した動きを促す(→目と手の協調性を知る)
▸注目し続ける、集中する力を養う(→注意機能を知る)
▸図形や空間の位置関係を把握する力を養う
▸計画性や戦略をたてる実行機能、論理的な思考能力を養う
どのブロックを抜いたら倒れやすくなるのか?
どのブロックを抜いたら、倒れてしまうのか?
自分の手がタワーにぶつかったりしないだろうか?
抜くときの力加減はどうしたらよいのか?
ゲームを有利に進めるうえで考えなければならないことが、とてもたくさんあります。そのときに使う能力が、手と目の協調性だったり、自分の体をじょうずにイメージする力だったり。距離感や空間の位置関係を把握する力もあります。
様々な情報を集め、それをもとに「戦略」や「適切な判断」を実行します。つまり、「どのブロックを抜き取るか」を判断するということになります。
そして「力の加減」を感じるための感覚に注意を向ける事!これが重要になってきます。
注意機能をフル活用
手元に注目し続ける、集中力も大切です。物を見続けるということは、意外にむずかしいものです。目の筋肉を使いこなさなければなりませんからね。物を見続ける、つまり注視することは生活上のいろいろな場面で使いますから、こういったおもちゃで養えると楽しく練習できますね
私自身も小児リハビリで、集中を促したいときや、体の位置関係を把握したいとき、そして注視を促したいときに使います。
まとめ
シンプルなルールでありながらも、それを実行するためには、体から色々な情報を集める事と、その情報を頭の中で整理して「適切に判断」するという、とても複雑な脳の働きを必要とします。
みんなで楽しく体の使い方と脳の機能を養えるので、とくに支援の場ではとても役に立つおもちゃであると言えます。
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