今回は昔からあるおもちゃを解説したいと思います。
それは…【けん玉】
伝統的なおもちゃを、リハビリという視点からその効果について分析してみたいと思います。
けん玉は知っていると思いますが…
皆さんご存知だと思いますが、簡単に構造について説明させてください。
けん玉は3つのお皿(大・中・小)と剣先(一番先っちょ)、そして本体の部分があります。これをけんといいます。
玉には穴があいていて、紐でけんとつながっています。
このお皿や剣先に玉を乗せたり入れたりするあそびですが、単純に入れるだけでなく、色々な技があります。「もしかめ」とかはあまりにも有名ですね。とても奥深いおもちゃです。
いろいろなけん玉があります
めちゃくちゃきれいなけん玉がたくさんありますね!
個人的には「桜が舞う模様」のけん玉が好きです。きれい…
【分析】リハビリの視点から効果をみてみよう
今回は、お皿やけんに玉を乗せるというシンプルな遊び方を考えてみます。
【子供に与えるリハビリ的な効果とは?】
・目と手の連携した動きを促す
・手と足の連携した動き、タイミングを合わせる動きを促す
・力の加減を学ぶことができる
・体のイメージや運動のイメージを作り、運動に活かすことができる
けん玉は、けんを(もしくは玉)うまくつかって、紐にぶら下がった玉を操ります。
つまり、玉の操作は「けん」という物を介して行われるわけです。
ここにポイントがあります。
ではお皿に玉をのせるという動きを例にとってその動きを少し分解してみましょう。
準備の段階
お皿に玉をのせるには、まず玉と自分の位置関係を目で見て確認します。
その次に、自分の手の位置と、けんの長さやお皿の位置を把握します。これがポイントで、自分の体のイメージにけんの長さを足した位置関係の把握が必要になってきます。
これを見誤ると、たとえばお皿のはじっこに玉をぶつけたり、位置がずれてしまいます。
玉を引き上げる
けんをつかって玉をいきおいよく上に持ち上げます。
このときの力加減によって玉のあがる位置が変化します。これは大半の人が目で確認します。
しかし、運動イメージの精度があがると、見なくてもその力加減でどの程度の高さに玉があがってくるのか予測できるかもしれませんね。
お皿に玉を乗せる
いよいよ玉がお皿近づいてきます。ここで問題なのが「緩衝」です。つまり、勢いが強すぎるとお皿が玉を弾いてしまい上手に乗らないわけです。ですから、なるべく衝撃をあたえないようにのせるのがベストです。
玉が落下する速度や位置にあわせてけん(お皿)の位置や高さを微調整します。このときに必要な動きは手だけではありません。
足や腰の屈伸をつかって速度や位置をコントロールしています。
つまり、手と足の連携した動きが必要になってくるわけですね。屈伸をうまく使って玉がのる瞬間の衝撃をやわらげます。
すべてのタイミングが合致したとき、はじめて成功するわけです。
けん玉は、けっして手先の運動だけではなく、全身を使った運動とその協調性が必要なおもちゃということがわかります。
子どもたちも、大人も夢中になりながら体の操作を覚えることができますね。
まとめ
昔から遊ばれている「けん玉」
じつは体の使い方を巧みに操る技術が必要な「あそび」でした。
これを応用すれば、楽しみながら体の細やかな動きや、力の加減、動きを予測するイメージをそだてることができます。
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